犯罪収益移転防止法違反
刑事事件に特化した弁護士に依頼することにより,早期の身柄解放や有利な処分の獲得に向けた充実した弁護活動を期待することができます。
第1 犯罪収益移転防止法違反
「息子が犯罪収益移転防止法違反で逮捕されたという連絡が警察からあった」
「お金に困って,自分の通帳とキャッシュカードを売ってしまった」
現在このような悩みや不安を抱えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
早期の身柄解放を行うためには早急に弁護士に依頼することが必要になります。
逮捕されたけど,このままずっと外に出ることはできないの?
少しでも刑を軽くしたい場合,どうすればいいの?
今回は犯罪収益移転防止法違反とはどういう犯罪なのか,容疑をかけられてしまった場合の対応について,説明していきます。
第2 犯罪収益移転防止法違反とは
1 犯罪収益移転防止法
犯罪収益防止法違反における犯罪は,マネーロンダリングやテロ資金等といった犯罪の資金源に使われるといったことです。犯罪の収益の移転を防止することで,新たな犯罪の発生を防ぐことが犯罪収益移転防止法の目的になります。
2 罰則
すでに手元にある自分名義の預金通帳等を他人が自分になりすまして使うことを知りながら売却した場合には1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金若しくはその両方を科されることになります。
また,他人が自分になりすまして使用する目的を知らなかったとしても,①通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他正当な理由がないのに,②有償で,預金通帳等を売ったり,貸したりしてしまった場合には1年以下の懲役若しくは100万円以下の若しくはその両方を科されることになります。
第3 犯罪収益移転防止法違反における処分の判断視点
1 事件の経緯・動機
今回の事件がどういう経緯,動機で生じてしまったのかという点です。悪質であればあるほど,重い処分が下される可能性が高くなります。
2 被害結果,自己の得た利益の程度
今回の事件によりいかなる結果が生じ,どの程度の利益を得たのかという点です。結果が悪質であり,利益の程度が大きければ大きいほど,不利な処分になる可能性が高くなります。
3 自身の反省及び更生への環境調整
今回のことをしっかり反省して,今後の再犯防止のために家族や周囲の人間が協力してくれている状況であれば,有利な処分になる可能性が高くなります。
第4 身柄拘束されてしまった場合
もし,犯罪収益移転防止法違反の嫌疑をかけられた場合,突然逮捕,勾留されることにより身柄を拘束される場合があります。身柄拘束が長期化した場合,その間学校や仕事には当然行くことが出来なくなるので,日常生活に多大な影響を及ぼしかねません。
日常生活を取り戻すためにも少しでも早く身柄を解放される必要がありますので,そのためには弁護士による保釈等の不服申し立てを行うことが有用です。起訴される前の準抗告という不服申し立てには費用は掛かりませんが,起訴後の保釈請求という不服申し立てをした場合には,保釈保証金という費用が必要になります。このことから,出来るだけ早く弁護士が対応していくことが重要になります。刑事事件専門弁護士であれば,より豊富な経験と知識をもとに早期の身柄解放活動を行うことができます。
第5 否認する場合
自分は犯罪収益移転防止法違反事件など起こしていないとして犯罪成立を争う場合,まず捜査機関からの取調べにおいて不利益な書面を作成されないようにすることが必要になります。そのためには,取り調べにおいてどのような対応をすべきなのか,取り調べを受けるにあたりどのような権利があるのかを事前に弁護士から聞いておくことで,不利益な書面が作成されることを防ぐことが出来ます。また弁護士が直接本人から事件のことに関する供述を正確に聞き取り,書面としてまとめることで証拠化することも可能です。そして本人の言い分をもとにその言い分を裏付ける証拠を収集することで,否認主張のサポートをすることができます。
第6 前科を避けるためには
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千葉支部 支部長 弁護士
上田 孝明