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盗撮事件で逮捕①~通常逮捕~ | コラム | 刑事事件の弁護士なら千葉の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所

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盗撮事件で逮捕①~通常逮捕~

盗撮事件で逮捕(通常逮捕)される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

~ケース~

千葉県旭市にある書店で、女子学生のスカート内にスマートフォンを差し入れ盗撮したとして、千葉県旭警察署は、会社員のAさんを迷惑条例違反の疑いで通常逮捕しました。
警察官数名が、早朝にAさん宅を訪れ、捜索・差押を行った上で、逮捕令状を提示し、Aさんを警察署に連れて行きました。
その場に居合わせたAさんの妻は、慌てて刑事事件専門弁護士に接見を依頼しました。
(フィクションです。)

盗撮で逮捕されるケース

一般的に、被写体の許可を得ずにひそかにカメラ等で撮影する行為を「盗撮」といいます。
法律上、「盗撮罪」という犯罪はありません。
多くの場合、盗撮は、各都道府県が制定している迷惑防止条例の「ひわいな言動」に当たるため、同条例違反として処理されます。

盗撮の方法は、スマートフォンを差し入れて盗撮するものから、小型カメラを靴、腕時計、ペンなどに仕込むものまで、その手口は巧妙化しています。
そのため、被害者や周囲の人間が、盗撮自体に気が付かないことも少なくありません。

しかし、盗撮する場合、盗撮犯は被害者に接近する必要がありますので、被害者が盗撮犯の気配を感じ取ったり、不自然な姿勢に周囲が気付くことで、犯行が発覚します。
また、盗撮で逮捕される方の多くは、初めて行った盗撮で捕まったわけではなく、何度も盗撮を繰り返す中でとうとう捕まった、というケースです。

盗撮で逮捕されるのは、
①被疑者や目撃者からの情報や、周囲の防犯カメラの映像等から盗撮犯が割り出され、後日、通常逮捕される、
②被害者や目撃者に犯行が発覚し、その場で現行犯逮捕される
2つのケースに分けられます。

今回は、①の通常逮捕について説明します。

通常逮捕とは

「逮捕」というのは、捜査機関による強制処分のひとつで、罪を犯したと疑われる者の身柄を拘束するものです。
逮捕は、国民の権利である身体の自由を制限するものですので、捜査機関が規制なく自由に行うことは許されません。
ですので、憲法は、原則として裁判所の許可に基づいて逮捕しなければならないとしています。

憲法第三十三条
何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となってゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない

逮捕には、「通常逮捕」、「現行犯逮捕」、そして「緊急逮捕」の3種類があります。
「通常逮捕」とは、裁判所が発布した逮捕に関する令状(逮捕状)を提示して行う逮捕です。

通常逮捕の要件

通常逮捕の要件については、刑事訴訟法199条で定められています。

第百九十九条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。ただし、三十万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。
○2 裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。以下本条において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。但し、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。
(以下、略)

まずひとつめの要件は、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある」ことです。(刑事訴訟法第199条1項)
つまり、被疑者が特定の犯罪行為を行ったという客観的かつ合理的な嫌疑がなければなりません。
この要件を「逮捕の理由」と呼んでいます。
ただし、30万円以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まった住居を有していない場合や、正当な理由がなく出頭に応じない場合に限り、通常逮捕ができます。
これに当たる罪としては、過失傷害罪や侮辱罪、軽犯罪法違反などです。

もう一つの要件は、「逮捕の必要がある」ことです。(刑事訴訟法第199条2項但し書き)
これを「逮捕の必要性」と呼びます。
逮捕の必要性とは、次の2つです。
①被疑者が逃亡するおそれ
②被疑者が罪証を隠滅するおそれ
これらに該当するかは、罪の内容、前科前歴の有無、罪を認めているかどうか、示談しているかどうか、職業の有無や種類、同居人の有無などを考慮して判断されます。

このような要件に該当する場合には、捜査機関が裁判官に逮捕状を請求し、裁判官が逮捕状を発布することになり、通常逮捕となります。

しかし、要件を満たさないと判断されれば、捜査機関が裁判官に逮捕状を請求することはありません。

盗撮事件を含めた刑事事件を起こして逮捕されるのではと心配されている方は、弁護士に相談し、捜査機関に対して逮捕の理由・必要性がないことを主張し、逮捕を回避する可能性を高めるよう動かれるのもよいでしょう。

また、万が一逮捕されてしまった場合には、すぐに弁護士に身柄解放活動を依頼し、逮捕後の勾留を避けるよう働きかけましょう。

このような活動は、刑事事件に強い弁護士に任せることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
逮捕されるのか不安な方、逮捕されてお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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千葉支部 支部長 弁護士
上田  孝明

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