営業妨害と早期釈放
- 2020年6月14日
- コラム
営業妨害と早期釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
【ケース】
Aさんは、千葉県八千代市内のスーパーマーケットでサラダを買って食べようとしたところ、なめくじが混入していることに気づきました。
そこで、すぐに店内に戻り、サービスカウンターでなめくじが混入していたことを騒ぎ立てました。
その際、対応した店長の態度が気に入らなかったことから、「どうなっとんじゃこの店は。金を出せ。誠意を見せろ」などと言って店長の胸倉を掴みました。
この行為が仇となり、Aさんは恐喝未遂罪の疑いで八千代警察署に現行犯逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、勾留を阻止してAさんの釈放を目指すことにしました。
(フィクションです)
【営業妨害をした場合に成立しうる罪】
ニュースなどで見られるように、上記事例のようなケースは日本各地で時々発生しています。
今回は、上記事例を題材に、Aさんのような客にどのような罪が成立する可能性があるのか見ていきます。
①恐喝罪
恐喝罪は、暴行または脅迫を加えて相手方に財産を交付させた場合に成立する可能性のある罪です。
ここで言う暴行・脅迫は、抵抗が不可能または著しく困難とは言えないまでも、人を畏怖させるに足りる程度のものが必要とされています。
法定刑は10年以下の懲役です。
②強盗罪
およそ抵抗が困難なほど強度の暴行・脅迫を加えて財産を奪取した場合、恐喝罪ではなく強盗罪が成立する余地が出てきます。
たとえば、激しい暴行を加えた場合、脅迫に刃物などの凶器を用いた場合、強盗罪となる可能性が高くなると考えられます。
法定刑は5年以上の有期懲役(上限20年)です。
③威力業務妨害罪
「威力」を用いて他人の円滑な業務の遂行を妨げた場合、威力業務妨害罪が成立する可能性があります。
ここで言う「威力」には、たとえば怒号を飛ばすなど、暴行や脅迫とは言えない程度のものも含まれます。
スーパーなどの店内で暴れて混乱を生じさせれば、この罪が成立する可能性は高いでしょう。
法定刑は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
以上のほか、暴行罪、傷害罪、器物損壊罪など、考えられるものは数多くあります。
【早期釈放を実現するには】
被疑者として逮捕された場合、その後48時間以内に事件が検察庁に送られ、検察庁で24時間以内に勾留請求が行われる可能性があります。
そして、もし裁判官が勾留の妥当性を認めれば、逮捕中の被疑者は10日から20日もの間拘束されていまいます。
逮捕を含めると身体拘束の期間は最長23日間に及び、様々な不利益を受けることが予想されます。
この間に行うべきことの一つとして、被疑者の釈放を実現するための身柄解放活動が挙げられます。
特に重要なのは、長期の身体拘束である勾留が決定する前の段階です。
この段階では、検察官と裁判官に対して、被疑者が逃亡や証拠隠滅に及ぶおそれが低いことや、仮に及ぼうとしてもそれを阻止できることを主張する必要があります。
勾留がつく理由というのは基本的に逃亡と証拠隠滅のおそれの存在なので、この点を解消することが不可欠となってくるのです。
上記事例のように恐喝などの粗暴な面が見られる場合、被害者(被害店舗)との接触がどうしても懸念されるところです。
そうしたケースでは、やはりその点のフォローが非常に重要になってくるでしょう。
早期の釈放に向けてベストな対応を行うなら、ぜひ弁護士に事件を依頼して的確な弁護活動を行ってもらってください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のスペシャリストを自負する弁護士が、一日でも早い釈放の実現に向けて尽力します。
ご家族などが営業妨害をして逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。