【冤罪】身に覚えのない窃盗事件で警察から呼び出されたら…
- 2020年7月19日
- コラム
【冤罪】身に覚えのない窃盗事件で警察から呼び出された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説いたします。
◇身に覚えのない窃盗事件で警察から呼び出し◇
Aさんは、千葉県八千代市の警備会社に勤める会社員です。
先日、Aさんの勤務する警備会社の金庫がバール様の工具でこじ開けられ、中にあった現金250万円が盗まれるという窃盗事件が発生しました。
事件当日、会社に出入りしたのはAさんだけなので、Aさんが疑われていますが、Aさんは全く身に覚えがありません。
そんなある日、Aさんは取調べのために千葉県八千代警察署から呼び出されて出頭することになってしまいました。
全く身に覚えのないAさんは、今後の事が不安で夜も眠れません。
(フィクションです)
◇出頭前に弁護士に相談◇
警察や、検察の取調べが可視化されて、昔みたいに違法な取調べは行われていないと言われていますが、取調べを受ける方が感じる不安は計り知れないものでしょうし、特にAさんのように身に覚えのない事件で呼び出されたような方の不安は一層強いものでしょう。
そんな不安を抱えたままで取調べに応じてしまうと、「取調べを早く終わらせたい。」「この場から逃げ出してしまいたい。」という心理に陥り、身に覚えのない事件を自白してしまうことになりかねません。
実際に冤罪事件で刑務所に服役してしまった方(出所後の再審で無罪が確定)は「警察の取調べから逃げ出すために、嘘の自供をした。裁判で潔白が証明されると思っていた。」と後に語っていますが、取調べで作成された虚偽の内容の調書が有力な証拠となって有罪が確定することもあるので、取調べで妥協すれば、取り返しのつかない事になりかねませんので注意しなければなりません。
そんな不安を少しでも解消するために、出頭前に刑事事件に強い弁護士に相談してアドバイスを受ける事をお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部では、警察に出頭する方に付き添うサービスもございますので、一度、ご相談ください。
◇取調べで注意すべき点◇
警察での取調べは、取調室という密室で、被疑者に対して取調官と補助取調官の1対2で行われる場合がほとんどですが、被疑者と取調官の1対1で行われる場合もあります。
そして事件に関することを色々と聞かれるのですが、Aさんの場合ですと、事件当日は何をしていたのか、事件の夜、会社に出入りした理由などについて詳しく聞かれることになるでしょう。
取調べ官は、Aさんを自白させることを目的に取調べをしているので、Aさんがどんだけ否定しても、言葉を変えて何度も同じ質問をして、厳しく追及してくるでしょうが、大切なのはきっぱりと否定することです。
◇調書の作成◇
取調べで聴取された内容は、供述調書という書面にまとめられます。
調書は、取調べ官や、補助取調べ官が供述の内容を文章にまとめ上げるので、取調べで供述していない内容が記載されたり、ニュアンスの異なる表現で記載されることがあります。
そういった場合は、認識した通りの内容に修正してもらわなければいけませんし、修正に応じてもらえなければ、その調書に署名、押印する必要はありません。
供述調書の作成方法等については、刑事訴訟法に
・取調官が作成した供述調書を読み聞かせなければならない。
・供述者は、取調官が作成した供述調書を閲覧することができる。
・供述者は、取調官が作成した供述調書に加除訂正を求めることができる。
・供述者は、供述調書への署名、押印(指印)を拒否できる。
ことが明記されているので、取調官がこれらの規定に違反した場合は、すぐに弁護士に相談することをお勧めします。
◇冤罪事件に巻き込まれないために◇
誤認逮捕や、無罪事件といった冤罪事件は毎年発生しています。
有罪判決が言い渡されるまでに冤罪であることが証明されたとしても、冤罪被害者が被る不利益は計り知れず、仕事を失ったりして元の生活に戻ることは非常に困難だと言います。
そんな冤罪事件に巻き込まれないために、Aさんのように身に覚えのない事件で警察に呼び出された方は、早急に弁護士に相談してください。