刑事事件を起こすとどうなるの?刑事罰について解説
- 2020年10月12日
- コラム
刑事罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
千葉県で刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部には、刑事事件を起こしてしまった方からの法律相談が多数寄せられます。
その様な方々からの相談で一番多いのが「どのような処分になりますか?」といった処分に関するご相談です。
法律や、各種条例には、法定刑というものが定められており、法定刑の範囲内で刑事罰が科せられることになります。
当然、適用された法律や条例によって、その法定刑は異なるのですが、同じ法律や条例が適用された場合でも決定する刑事処分はそれぞれ違います。
そこで本日は、刑事事件を起こしてしまった方の処分の種類を、少年事件と成人事件に分けてご紹介します。
少年事件の処分の種類
不処分
家庭裁判所は、審判の結果、「保護処分に付することができない」と認めた場合、または「保護処分に付する必要がない」と認めるときは、その旨の決定をしなければならないとされており、この決定を、不処分決定といいます。
家庭裁判所が「保護処分に付することが出来ない」と認めた場合とは、非行事実の存在の蓋然性が認められない場合や、少年の所在が不明の場合などです。
家庭裁判所が「保護処分に付する必要がない」と認めた場合とは、調査・審判の過程で、関係者による働きかけが講じられた結果、要保護性が解消し、再非行の危険性がなくなった場合や、非行事実が極めて軽微な場合などです。
保護処分
保護観察
保護観察とは、少年を施設に収容することなく、社会の中で生活させながら、保護観察所の指導監督及び補導援護という社会内処遇によって、少年の改善更生を図ることを目的として行う保護処分のことをいいます。
児童自立支援施設等送致
児童自立支援施設とは、不良行為をなし、または、なすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させまたは保護者のもとから通わせ、個々の児童に応じて必要な指導を行い、その自立を支援し、併せて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設です。
児童自立支援施設送致が選択される少年は、少年院送致が選択される少年と比べると、非行性が進んでおらず、少年自身の素養よりも保護者が養育を放棄していたり、少年を虐待していたりするなど家庭環境等に問題がある場合です。
少年院送致
少年院では、特別の場合以外は外出を許さず、非開放的な施設で生活させ、規律ある生活に親しませて生活訓練を行い、規律に違反した者に対しては懲戒を行うなどして、少年に対して矯正教育を授ける施設です。
少年院送致は、少年の自由を拘束する点で保護処分のうち、最も強力な処遇といえます。
検察官送致(逆送)
家庭裁判所は
・調査あるいは審判の結果、本人が20歳以上であることが判明したとき
・死刑、懲役または禁固に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分相当と認めるとき
の何れかに該当する場合、事件を検察官に送致することを決定しなければならないとされています。
これを逆送といい、逆送された少年事件は、成人の刑事事件と同様の手続きとなります。
なお、刑事処分相当として検察官に送致された場合、検察官は、公訴提起するに足りる犯罪の嫌疑があると思慮するときは起訴しなければならないとされており、成人事件における検察官の起訴裁量権は制限されています。
成人の刑事罰の種類
死刑
刑事施設内において、絞首して執行される刑です。
殺人罪(199条)、強盗致死罪(240条後段)、現住建造物等放火罪(刑法108条)などの罪で法定刑として定められています。
ただし、少年法の適用により、罪を犯した時に18歳未満であれば、死刑を科すことはできず、無期懲役にしなければなりません。
懲役刑
刑事施設(刑務所)において拘置し身体の自由を拘束するもので、所定の作業(刑務作業)を行わせる刑であり、「無期」と「有期」に分けることができます。
「無期懲役」は、刑の執行の終わる時期が定められていないというものです。
なお、少年法の適用により、罪を犯した時に18歳未満であれば、無期刑を選択すべきときには、有期刑を選択することもできます。
「有期懲役」は、1月以上20年以下の期間で刑の長さが定められている懲役刑です。(併合罪となった最長で30年以下にまで延長することができる。)
そして、少年法の適用により、判決言い渡し時に少年である者に対する処断刑が、有期の懲役または禁固刑のときは、短期10年以下、長期は15年以下の範囲で不定期刑を言い渡さなければなりません(少年法第53条1項)。
ただし、刑の執行猶予の言渡しをするときは、定期刑が言い渡されることになります。
禁固刑
刑事施設(刑務所)において拘置し身体の自由を拘束する刑です。懲役刑とは異なり、所定の作業(刑務作業)を行わせるものではありません。
もっとも、刑務作業が義務ではないというものであって、受刑者が希望すれば刑務作業をすることもできます。
罰金
一定の金額(1万円以上)のお金を支払わせることを内容とする財産刑の一つです。
罰金を支払う能力がない場合には、裁判で定められた1日当たりの金額が罰金の総額に達するまでの日数分、労役場に留置して所定の作業(封筒貼りなどの軽作業)を行わせることにより、罰金を支払ったことにする制度があり、これを労役場留置といいます。
ただし、判決言い渡し時に少年である者に対しては、教育的意義を有さず少年の情操を害する労役場留置を言い渡すことはできません(少年法第54条)。
拘留
1日以上30日未満の間、刑事施設(刑務所等)に拘束し身体の自由を拘束する刑です。
科料
軽微な義務違反などについて、1000円以上1万円未満の金額のお金を支払わせることを内容とする財産刑の一つです。
刑事事件を起こしてしまった方は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部では、少年事件、刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
またご家族、ご友人が警察に逮捕されてしまった方には、初回接見サービスをご用意しております。
ご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けております。
刑事処分の見通しについて不安のある方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の無料法律相談や初回接見サービスをご利用ください。