近所トラブルが刑事事件に発展
- 2021年1月3日
- コラム
ご近所トラブルの嫌がらせで迷惑防止条例違反となった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
近所トラブル
千葉県鎌ケ谷市に住んでいるAさんは、近所に住んでいるVさんと折り合いが悪く、小さなご近所トラブルを繰り返していました。
Aさんは、Vさんに対しての恨みや怒りが抑えられず、嫌がらせとしてVさん宅の玄関前にごみを置く行為を連日繰り返しました。
Vさんはその行為に耐え切れず、千葉県鎌ケ谷警察署にそのことを相談しました。
すると、千葉県鎌ケ谷警察署からAさんに連絡があり、「千葉県迷惑防止条例違反事件の被疑者として話を聞きたい。」と言われました。
Aさんは、ご近所トラブルの嫌がらせから警察沙汰になるとは思っていなかったため、非常に驚き、これからどうすべきなのか弁護士の初回無料法律相談を利用して弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
ご近所トラブルの嫌がらせから刑事事件に?
ご近所トラブルは、住民同士が仲が悪くそれによって住民間のトラブルに発展するということから、刑事事件に発展するほどの大事ではないようにも思えます。
しかし、例えば今回のAさんのようなご近所トラブルの末の嫌がらせをした場合、その内容によっては刑事事件に発展し、被疑者となってしまう可能性もあるのです。
千葉県の迷惑防止条例(正式名称「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」)では、つきまとい行為等の禁止を定めています。
「つきまとい」と聞くとストーカー行為が連想されやすいですが、迷惑防止条例が禁止しているつきまとい行為等は、ストーカー禁止法によって禁止されている好意に端を欲するストーカー行為ではなく、それ以外の、例えば嫌がらせ目的などのつきまとい行為等を指しています。
千葉県迷惑防止条例第11条
何人も、みだりに、特定の者に対し、著しく不安又は迷惑を覚えさせるような方法で、執ように、次の各号に掲げる行為(ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号)第2条第1項に規定するつきまとい等を除く。)をしてはならない。
第1号 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ち塞がり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、又は住居等に押し掛けること。
第2号 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
第3号 面会その他の義務のないことを行うことを要求すること。
第4号 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
第5号 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールその他の相互に連絡する機能を有する電気通信を送信すること。
第6号 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
第7号 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
第8号 その性的羞恥心を害する事項を告げ、若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し、若しくはその知り得る状態に置くこと。
第9号 虚偽の事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
今回のAさんは、連日Vさんの家の玄関先にごみを置いていますから、「著しく不安又は迷惑を覚えさせるような方法で、執ように」、「汚物動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を」、「その知り得る状態に置」いた(千葉県迷惑防止条例第11条第6号)と判断されたのでしょう。
こうしたつきまとい行為等による迷惑防止条例違反となると、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」、常習の場合には「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となります(千葉県迷惑防止条例第13条第1項・第2項)。
ご近所トラブルの刑事弁護活動
ご近所トラブルから刑事事件に発展したケースでは、トラブルの相手方が刑事事件の被害者となっている場合が多いでしょう。
被害者が存在する刑事事件では、被害弁償を行ったり示談を締結したりすることが、不起訴処分の獲得や刑罰の減軽に重要となります。
しかし、ご近所トラブルの嫌がらせによって刑事事件まで発展した場合、被害者との関係が悪化していることが予想されることから、被害者の処罰感情や恐怖が大きいことが考えられます。
そうなれば、当事者同士での話し合いで余計に溝が深まってしまったり、そもそも当事者同士での話し合いを拒否されてしまったりというおそれもあります。
だからこそ、ご近所トラブルから刑事事件に発展してしまった場合には、刑事事件の専門家である弁護士への相談・依頼をおすすめいたします。
弁護士という第三者が間に入ることによって直接当事者でやり取りをせずに済むことから、被害者の方も安心して話をすることができるようになりますし、感情的になってしまうということも避けられます。
示談締結となった場合にも、弁護士は法律の専門家ですから、法的に適切な示談書を作成し示談を結ぶことができ、その後のトラブルの防止にもなります。
刑事事件に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部では、とりあえず弁護士と話してみたい、弁護士と相談してから今後の対応を決めたい、という方でもご利用いただきやすい初回無料法律相談を行っています。
0120-631-881では初回無料法律相談のご予約を24時間いつでも受け付けておりますので、ご近所トラブルや嫌がらせから刑事事件に発展してしまって困っているという方は、まずは遠慮なくお電話ください。