ゴミ不法投棄事件の廃棄物処理法違反に詳しい弁護士
- 2021年3月23日
- コラム
廃棄物処理法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
千葉県船橋市在住のAさん(40代女性)は、自宅で使わなくなった大型テレビや冷蔵庫を、自宅近くの山林に不法投棄していたことが、警察に発覚した。
Aさんは、廃棄物処理法違反の容疑で、千葉県船橋東警察署で厳しい取調べを受けた。
取調べ担当の警察官から「また後日に、再度の警察取調べに呼ぶ」と言われたAさんは、今後の取調べ対応を検討するために、刑事事件に強い弁護士に法律相談することにした。
(事実を基にしたフィクションです)
ゴミの不法投棄による刑事処罰
ゴミ収集の指定場所以外の場所に、ゴミを不法投棄した者は、「廃棄物処理法違反」に当たるとして、刑事処罰を受ける可能性があります。
「廃棄物」とは、廃棄物処理法の定義によると、「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)」をいいます。
工場等から出る産業廃棄物の不法投棄のケースだけではなく、一般家庭から出る一般ごみの不法投棄のケースであっても、廃棄物処理法違反で刑事処罰を受けることになります。
廃棄物処理法 16条
「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」
廃棄物処理法に違反して、ゴミ収集の指定場所以外の場所にゴミを捨てる等の不法投棄を行った場合には、「5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金又は併科」という法定刑で、刑罰が科されます。
他方で、不法投棄を行う目的で廃棄物の収集又は運搬をした者は、「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又は併科」という法定刑で、刑罰が科されます。
また、不法投棄を行っていた者が業務として違反行為を行っていた場合には、違反者の属する法人や個人事業主についても共に罰金刑を受けるとする「両罰規定」が、廃棄物処理法に規定されています。
不法投棄の容疑を受けた際には、弁護士の助力のもとで、その行為が不法投棄に当たらないことを示す客観的事情の主張・立証や、弁護士の仲介により、投棄場所の土地の所有者との示談交渉を行うこと等により、刑事処罰の軽減や、不起訴処分の獲得を目指すことが重要となります。
その後に、もし事件が起訴されて正式裁判になってしまった場合でも、弁護士の仲介により、土地の所有者との示談が成立している事情や、刑事処罰を軽くすべき事情を裁判上で主張していくことで、執行猶予付きの判決に向けて、公判審理を有利に進めるために弁護士が尽力いたします。
ゴミの焼却による刑事処罰
ゴミを焼却した者も、「廃棄物処理法違反」に当たるとして、刑事処罰を受ける可能性があります。
ゴミ焼却による廃棄物処理法違反の刑事処罰の法定刑は、「5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金又は併科」とされています。
廃棄物処理法 16条の2
「何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない。
一 一般廃棄物処理基準、特別管理一般廃棄物処理基準、産業廃棄物処理基準又は特別管理産業廃棄物処理基準に従つて行う廃棄物の焼却
二 他の法令又はこれに基づく処分により行う廃棄物の焼却
三 公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの」