飲食店でトラブル 退店を拒否したら逮捕された・・・
- 2021年4月24日
- コラム
飲食店でトラブルを起こし、店員からの退店指示を拒否してお店に居座ったら逮捕されたという事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
居酒屋でトラブル
Aさんは、千葉県館山市の飲食店でお酒を呑み、酔払って仲間と大声で話していました。
他の客から苦情が出たらしく、Aさんは何度か店員から注意を受けましたが、その後も仲間と大声で話し続けていました。
すると店員から「他のお客様の迷惑になっていますので、今すぐ出て行ってください。」と退店するように指示されました。
しかしAさんは、店員からの退店指示を無視して仲間と話を続け、その後何度も店員から退店を指示されましたが、Aさんはそのまま店内に居座りました。
すると最初に注意されて一時間ほどして、店員が通報したのか、千葉県館山警察署の警察官がお店に駆けつけてきたのです。
警察官の前でも、店員から再三にわたって退店するように指示されましたが、Aさんはそれを拒否し続けました。
すると警察官に逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
先日、館山市内の飲食店にマスクを着けずに入店した男が店員とトラブルになり、通報で駆け付けた警察官に逮捕されたという事件が発生し、新聞等で大きく報道されました。
この男は、駆けつけた警察官を暴行したとして「公務執行妨害罪」の容疑で逮捕されたようですが、Aさんのように、店員からの退店指示に従わずに、お店に居座るだけでも警察に逮捕されるのでしょうか?
退店を拒否しただけでも警察に逮捕される可能性はある
退店を拒否しただけでも警察に逮捕される可能性はあります。
お店からの退店指示に従わずにお店に居座ったという行為に対して「不退去罪」が適用される場合と、お店に居座ることによってお店の営業を妨害したという行為に対して「威力業務妨害」が適用される可能性があるでしょう。
不退去罪
不退去罪とは、刑法第130条に規定されている法律です。
住居侵入罪や、建造物侵入罪と同じ条文に明記されており、その内容は、その場所を監守する看守者より要求を受けたにもかかわらず退去しなかった場合に成立し、法定刑は、住居侵入罪や、建造物侵入罪と同じ「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」です。
犯罪行為は、一定の行為を行うことによって成立する「作為犯」と、逆に一定の行為を行わないことによって成立する「不作為犯」に分類されます。
そして「不作為犯」は、不作為によって構成される「真正不作為犯」と、不作為によって作為犯を実行する「不真正不作為犯」に分類され、不退去罪は典型的な真正不作為犯です。
ちなみに不退去罪が成立するには、当初適法にその場所に立ち入った場合にのみ成立し、最初から不法に立ち入っている場合は、すでに住居侵入罪や建造物侵入罪等が成立しているので、不退去罪は成立しません。
威力業務妨害罪
威力業務妨害罪とは、刑法第234条に定められた法律です。
威力業務妨害罪は、威力を用いて人の業務を妨害することによって成立する犯罪で、その法定刑は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
威力業務妨害罪で保護されている「業務」とは、営利目的、経済的なものである必要はなく、社会生活上の地位に基づき継続して行う事務の事です。
また「威力」とは、人の意思を制圧する勢力とされています。
刑事事件に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は刑事事件・少年事件を専門にしている法律事務所です。
ご家族、ご友人が千葉県館山市で逮捕された方、また千葉県館山市で事件を起こしてしまった方など、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部では千葉県館山市の刑事事件い関するご相談を幅広く受け付けております。
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