酒気帯び運転と酒酔い運転の違い
- 2021年9月10日
- コラム
千葉県長南町で飲酒運転した場合を例に、酒気帯びと酒酔いの違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
千葉県長南町で飲酒運転
会社員Aさんは、友人と千葉県長南町内の居酒屋でビールを中ジョッキで4杯、ウイスキーをシングルで2杯で飲みました。
友人と解散したあと、Aさんは酔っぱらった状態ではありましたが、居酒屋から自宅まで車で5分程度の距離であったため、運転代行を頼まずに、自分で車を運転し帰宅しようと考え、車を運転しました。
しかし、その道中で千葉県茂原警察署の警察官が飲酒検問を実施しており、Aさんは飲酒運転で検挙されてしまいました。
(フィクションです。)
飲酒運転は道路交通法違反
道路交通法第65条第1項では「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と飲酒運転を禁止しています。
飲酒運転をした場合、道路交通法に規定された酒気帯び運転または酒酔い運転に抵触する可能性があります。
道路交通法に違反した場合に下される処分には、行政処分と刑事処分の2種類がありますが、ここでは刑事処分について説明します。
酒気帯び運転の罪
道路交通法第117条の2の2第3号では、飲酒運転した者で「身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態」にあったものは「3年以下の懲役または50万円以下の罰金で処する。」と酒気帯び運転を規定しています。
この「政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態」については、道路交通法施行令の第44条の3において、「血液1mLにつき0.3mg」または「呼気1Lにつき0.15mg」を含む状態としています。
一般的には、ビール中瓶1本を飲んだときの血中アルコール濃度は、血液1mLに対し0.2mg~0.4mg、呼気1Lに対し0.1mg~0.2mg程度になるといわれていますが、この数値については人によって異なり、体調にも左右されるので注意が必要です。
酒酔い運転の罪
道路交通法第117条の2第1号では、アルコールの数値に関わらず、正常な運転ができない状態で飲酒運転をすると、酒酔い運転に抵触することが規定されています。
この場合の罰則は「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」です。
この酒酔い運転は、酒気帯び運転と異なり、数値の基準が設けられていません。
酒酔い運転は飲酒量に関わらず、酒に酔った状態で運転しているため、正常な判断が困難となり、事故等の危険性が高いことから厳罰化されていると考えられます。
つまり注意しなければいけないのは、酒酔い運転が成立するには、酒気帯び運転のような明確な数値基準がないため、お酒に弱い人であれば、たとえ飲んだお酒の量が少なかったとしても、酒酔い運転に該当してしまうおそれがあることです。
千葉県内の飲酒運転による交通事故
飲酒運転による交通事故は、平成19年の飲酒運転厳罰化や、平成21年の行政処分強化などにより、発生件数は年々減少しているようです。
しかし、千葉県は飲酒運転による交通人身事故の発生件数が他県と比較して多く、飲酒運転事故多発県となっています。
令和3年7月時点で、飲酒運転による交通事故が多かった市町村は、千葉市(11件)、市原市(8件)、木更津市(6件)だったようです。
また、令和2年中の飲酒運転による交通死亡事故は8件だったようです。
(千葉県警察『飲酒事故発生マップ』より)
飲酒運転で検挙されてしまったら
あなた自身、またはあなたのご家族が飲酒運転したことが警察に発覚し、取り調べを受けた場合や、飲酒運転により交通事故を起こしてしまった場合は、お早めに弁護士にご相談ください。
弁護士は、取り調べを受けている方に対し、今後どのように対応していくべきかをアドバイスすることができます。
千葉県長南町で飲酒運転をしてしまい、今後の対応で不安を抱えている方や、ご家族が逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の無料法律相談または初回接見サービスをご検討ください。
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