刑事事件と行政事件の違い~酒気帯び運転を例に解説~
- 2023年5月8日
- コラム
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が刑事事件と行政事件の違いについて、酒気帯び運転の事例を用いて解説致します。
【事例】
酒気帯び運転で男を逮捕(成田警察署)
千葉県成田警察署は、4月18日午前4時18分頃、富里市十倉の道路で、酒気を帯びた状態で普通乗用車を運転した男(Aさん・20代男性)を同日、道路交通法違反の容疑で逮補しました。
男は、友人宅で未明まで飲酒をし、翌日の仕事の準備のために自宅へ帰宅するために車を運転したとのことです。
逮捕時には男の呼気から基準値を大幅に超える0.40mlのアルコールが検知されたとのことで、成田警察署は、道路交通法違反被疑者として千葉地方検察庁佐倉支部へ男の身柄を送致しました。
そしてAさんは後日、罰金処分と運転免許証の取消し処分を受けることとなりました。
※本件事例はフィクションです。
【解説】
1 刑事事件とは?
刑事事件とは、刑事罰を科されるかどうかについての事件を意味します。
具体的には、物を盗んでしまったという事件の場合には、窃盗罪(刑法235条)が成立しますが、窃盗罪の有罪判決を受けた場合には、10年以下の懲役または50万円以下の罰金という「刑事罰」が科されるため、刑事事件となります。
今回の事例では、道路交通法違反(酒気帯び運転)は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金という刑事罰に処されるため、刑事事件となります。
刑法 第235条(窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
道路交通法 第65条 第1項 (酒気帯び運転等の禁止)
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
道路交通法 第117条の2の2第3号 抜粋
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
3号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの
2 行政事件(行政処分)とは?
行政事件とは、行政庁が行った行政行為についての無効や取消し、変更などを要求する事件を意味します。
今回の事例の青文字部分(運転免許証の取消し処分)が該当します。
本来、自動車等を公道で運転することは禁止されていて、運転免許証を取得した人でなければ、運転することが出来ません。
この運転免許証は、公安委員会の定めた試験に合格し、交通法規を守ることを約束した人が、公道で車を運転して良いという免許を、公安委員会から与えられます。
しかし、運転免許を与えられたからといって、無謀な運転や危険な運転をしても良いということでは決してありません。
正しく車を運転することが出来ていないと判断されれば、交通違反として検挙され、いわゆる切符処理がされることになります。
運転免許証は、公安委員会から与えられたもので、違反点数に基づき、公安委員会が、交付した免許の取消や停止の処分を求める(要求する)ことは、刑事事件ではなく、行政事件に該当します。
※誠に申し訳ありませんが、弊所は刑事事件に注力をした法律事務所であり、現在、行政処分についてのお取り扱いはしておりません。
ご理解くださいますよう、お願い申し上げます。
【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が刑事事件と行政事件の違いについて事例を用いて解説致しました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
千葉県成田市や、周辺地域に在住の方で、ご本人様やご家族が、なにか犯罪行為を犯してしまった、警察から呼び出しを受けている、懲役や罰金に科されるなどの刑事事件を起こしてしまったと言った場合、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご連絡ください。
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