窃盗罪で逮捕された後の流れは?初犯でも実刑になる?~千葉県成田市で起きた窃盗事件~
- 2023年12月17日
- その他の刑法犯事件
他人の物を盗むことは窃盗罪になるということはご存じの方も多いと思います。
ただ、窃盗罪で逮捕された後にどのような流れで進むのか、初犯だった場合の処罰内容についても知っているという方は少ないかもしれません。
そこで、今回は千葉県成田市で起きた窃盗事件をもとに、窃盗罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
【事例】
千葉県は15日、成田市内の県道上にある橋や川の名前などを示すブロンズ製の橋名板計6枚が盗まれたと発表しました。
被害額は計39万2千円とのことです。
橋のたもとに取り付けていた板を工具類を使って盗み出したとみられており、橋の所有者である事務所Vは成田警察署に被害届を提出しました。
県道路環境課によると、縦15センチ、横40センチ、厚さ1センチの板(1枚5万2200円)が2枚、縦15センチ、横55センチ、厚さ1センチ(同7万1900円)が4枚盗まれています。(以下略)
(※12/17に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「ブロンズ製の橋名板6枚盗まれる 被害額39万円 千葉・成田の県道」記事の一部を変更して引用しています。)
【窃盗罪で逮捕された後の流れ】
橋名板が何者かによって盗まれている本件は、刑事第235条で規定されている窃盗罪に該当する可能性が高いです。
刑法第235条(窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
橋名板の所有者はV事務所なので、橋名板は「他人の財物」に該当します。
「窃取」とは、他人の占有下にある財物を、所有者の意思に反して自己の占有下に移転する行為をさすため、橋名板が盗まれた行為は「窃取」に該当します。
本件では犯人はまだ見つかっていませんが、窃盗事件を起こすと逮捕される可能性は十分にあります。
今回のように、犯行後に現場を逃走している場合は、さらに逮捕される可能性が高くなります。
窃盗罪のような刑事事件を起こして逮捕されると、「被疑者」として警察から取調べなどを受けることになり、逮捕後48時間以内に身柄が警察から検察へ送致されます。
検察送致後は、検察官が被疑者の身柄を引き続き拘束する必要があるかどうかを送致後24時間以内に判断します。
拘束する必要がないと判断されれば釈放となり、必要があると判断されれば勾留となります。
勾留となれば10日間身柄が拘束されることになり、追加で10日間延長することも可能なので、最大20日間身柄が拘束されることになります。
勾留期間中に検察官は被疑者に処罰を与える必要があるかを判断して起訴・不起訴の決定を下します。
不起訴となれば事件は終了し、前科が付くこともありません。
一方で、起訴となれば罰金刑による略式起訴や刑事裁判が開かれて懲役刑が言い渡される公判請求といった刑事処分を受けることになります。
本件で犯人が逮捕されて起訴されると、窃盗罪の条文で規定されている「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」の範囲内で処罰されることになります。
【窃盗罪は初犯でも実刑になる?】
「事件を起こしても初犯だと実刑にはなりづらい」ということを聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
確かに、再犯である場合よりも初犯であれば比較的軽い処分になる傾向もありますが、初犯だからといって必ず処分が軽くなる訳ではありません。
本件のような窃盗罪は、事件の被害金額や犯行の悪質性などが重要視されることが多いです。
つまり、初犯であっても被害金額が高額で犯行内容も悪質である場合は、重い処罰が下される可能性が高くなるということです。
少しでも軽い処分の獲得を目指すためには、被害者との示談を成立することが大切なポイントです。
被害者との示談を成立させ、被害金額の弁償なども済んだ状態であれば、起訴を免れて不起訴処分となる可能性も高まります。
ただ、窃盗事件の被害者は加害者に対する処罰感情が強い傾向が多く、当事者間で示談を進めようとしても取り合ってくれないことも多いです。
なので、被害者との示談を成立させるためにも、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。
弁護士に依頼することで、弁護士が代理人となって被害者との示談交渉を進めていくので、示談が成立する可能性がグッと高まります。
刑事事件を専門としている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、窃盗罪はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当して被害者との示談を成立させた実績を多数持っています。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631^881)にて24時間365日受付中です。
千葉県内で窃盗事件を起こしてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご相談ください。