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いつまで続く身柄の拘束~保釈制度とその種類~ | コラム | 刑事事件の弁護士なら千葉の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所

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いつまで続く身柄の拘束~保釈制度とその種類~

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が、保釈制度について解説致します。

【事例】
ある日、Aさんは千葉県柏警察署から「息子さんを特殊詐欺の被疑者として逮捕しました」と連絡を受けました。
Aさんの息子さんは、その後起訴されてしまい家に帰れなくなってしまったため、保釈をお願いするために、法律事務所に相談に行くことにしました。
※事例はフィクションです。

 

【解説】
1 保釈とは?
保釈とは、保証金の納付を条件として、勾留(身柄の拘束)の執行を停止し、拘禁状態を解く制度です。
現行法上、保釈は、起訴後に限られ、被告人にのみ認められ被疑者段階では、認められていません(刑事訴訟法(以下「刑訴法」と略称)207条1項ただし書)。

2 保釈制度の趣旨・目的
勾留は、もともと対象者の逃亡や犯罪の証拠を隠滅することを防止するための制度であるため、この目的を達成することができるのであれば、より対象者の権利・利益の制約が少ない方法を選択することが要求されています。
保釈制度は、そのような要請から、拘禁状態を解くことによって被告人の権利・利益の制約を最小限にとどめつつも、保証金の没収を心理的強制にして被告人の逃亡防止の目的を達成する制度です。

3 保釈の種類
保釈には、

  ①権利保釈(必要的保釈)

  ②裁量保釈(任意的保釈、職権的保釈)

  ③義務的保釈

があります。
以下で、それぞれの種類の保釈について解説していきます。

① 権利保釈(必要的保釈)
権利保釈または必要的保釈とは、保釈の請求があった場合には、法律で定められた保釈の不許可事由にあたらない限り、裁判所又は裁判官は保釈を認めなければいけない保釈です(刑訴法89条柱書)

権利保釈の法定の例外事由は、以下のとおりに定められています。
刑事訴訟法89条
1号 被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
2号 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
3号 被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
4号 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
5号 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
6号 被告人の氏名又は住居が分からないとき。

刑事訴訟法344条
禁錮以上の刑に処する判決の宣告があった後。

上記のような事由が、保釈の禁止条件であるため、裏を返せば上記の事由がないのであれば、保釈が認められます。

② 裁量保釈(任意的保釈・職権保釈)
次に、権利保釈(必要的保釈)が認められない場合でも、裁判所または裁判官は、保釈された場合に被告人が逃亡や証拠の隠滅をする可能性が低い、身体の拘束を継続することが被告人の健康上・経済上または裁判の準備をする上での不利益などを考慮して、職権で保釈を許すことができます(刑訴法90条)。
このような保釈を裁量保釈(任意的保釈・職権保釈)と呼びます。

③ 義務的保釈
最後に、極めて例外的な場合ですが、勾留による拘禁が不当に長くなったときは、裁判所または裁判官は、請求によりまたは職権で、保釈を許し、または勾留を取り消さなければいけません(刑訴法91条1項)。
この場合の保釈を、義務的保釈と言います。

4 釈放と保釈の関係
釈放とは、刑事事件における拘束されていた人物の身柄、つまり被疑者・被告人の身柄が解放されること全般を指しており、保釈は釈放の一部(手段)といえます。

【事務所紹介】
今回は、保釈制度について解説致しました。
上記でも解説した通り保釈は、待っていても許されず、原則として、保釈の請求をしなければ認められない制度です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
そのため、保釈請求の手続きに精通した弁護士が所属しております。
千葉県柏市周辺に在住の方で、起訴されたご家族やご友人を保釈してほしいという場合には、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご相談ください。

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千葉支部 支部長 弁護士
上田  孝明

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