他人のIDとパスワードでログイン 不正アクセス禁止法違反とは?後編
- 2023年1月23日
- その他の刑法犯事件
今回は、前回の不正アクセス禁止法という法律の目的や不正アクセス行為の定義・罰則の解説の続きとして、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が不正アクセス禁止法に規定される不正アクセス行為以外の禁止行為とその罰則について解説致します。
前回の、他人のIDとパスワードでログイン 不正アクセス禁止法違反とは?前編をまだ読んでいないと言う方は、こちらもぜひご覧ください。
【解説】
1. 不正アクセス行為(不正アクセス罪)以外の禁止行為
不正アクセス禁止法には不正アクセス行為以外にも以下のような行為が禁止行為となっています。
・法4条 (不正取得罪)
本条は他人のパスワードを不正に取得する行為を禁止しています。
ただし、インターネット上での検索中にたまたま他人のパスワードが表示された場合や、他人のパスワードが電子メールなどで勝手に送りつけられてきたような場合には、取得することの認識がないことから、本条には違反しません。
・法5条 (不正助長罪)
本条は、不正アクセス行為の助長(他人のパスワードを第三者に提供)行為を禁止しています。
ただし、提供者に提供することについての認識が必要であり、メールで送信したデータの中に無自覚に他人のパスワードが含まれていたような場合には、本条には違反しません。
・法6条 (不正保管罪)
本条は、他人のパスワードを不正に保管する行為を禁止しています。
ただし、保管者に保管することの認識が必要であり、知らない間に他人のパスワードをダウンロードしていたような場合には、保管することの故意がないことから、本条には違反しません。
・法7条 (不正入力要求罪)
本条は、パスワード等の入力を不正に要求する行為を禁止しています。
例えば、パスワード等の入力を不正に要求する行為とは、ウェブサイトやメールを用いたフィッシング行為により、ID・パスワードを騙しとる行為などです。
2. 各禁止行為違反の法定刑
・法4・5・6・7条違反
1ヵ月月以上1年以下の懲役or1万円以上50万円以下の罰金
※法5条違反については相手方に不正アクセス行為をする目的があることを知ってパスワードを提供した場合の違反
・法5条違反(不正アクセスの目的があると知らなかったものの第三者にPWを提供してしまった場合)
1万円以上30万円以下の罰金
【事務所紹介】
今回は、前回の不正アクセス禁止法という法律の目的や不正アクセス行為の定義・罰則の解説に続いて、不正アクセス行為以外の禁止行為と罰則について解説致しました。
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