千葉県柏市の飲食店に対する威力業務妨害罪
- 2023年7月23日
- コラム
人に対し暴行や脅迫を加えることで業務を妨害する威力業務妨害罪について、あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説いたします。
【事案概要】
千葉県柏市の飲食店に、Aさん(50代・男性)は一人で立つことは出来ないほどの泥酔状態で入店しようとした際に、従業員の方から泥酔状態なのを理由に入店をお断りされてしまいました。
Aさんは「こっちは客だぞ。入店拒否するならこの店を営業できないようにするぞ」と従業員を大声で怒鳴りつけ、店の出入り口から動かず脅迫し続けました。トラブルに気付いた他の従業員が警察に通報し、Aさんは千葉県柏警察署の警察官により、威力業務妨害罪の疑いで現行犯逮捕されました。
※本件事例はフィクションです。
【威力業務妨害罪について】
威力業務妨害罪は刑法第234条において、
威力を用いて人の業務を妨害した場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する
としています。
ここでいう“威力”とは人の意思を制圧するような勢力であると定義されています。(判例)
上記の刑事事件例のように、大声で怒鳴り脅迫する行為は威力にあたると考えられます。
そして企業や施設に対し「爆弾を仕掛けた」などと電話をかけ、業務遂行を妨げるような犯罪予告行為も、威力業務妨害罪にあたります。
検察庁の統計データによると、2019年に威力業務妨害罪の被疑事実で検察庁が受理した人員は511人で、そのうち176人を起訴したと公表されています。(『e-Stat統計で見る日本 検察統計調査』より)
2020年は、新型コロナウイルスの影響により、飲食店に入る際や飛行機に搭乗する際にマスク着用を促され、それが従業員との間でトラブルとなり威力業務妨害罪で逮捕される事件が増えました。また、威力業務妨害罪の疑いで逮捕された被疑者は、翌月起訴されたなどの報道も散見されているため、仮に在宅捜査であったり、逮捕後に釈放されたとしても注意が必要です。
【威力業務妨害罪への刑事弁護活動】
威力業務妨害罪のように、被害者が店舗の従業員である場合は、その店舗の管理者に対し謝罪を尽くし、被害弁償をするなど、示談締結を目指す弁護活動を進めることが重要です。
なぜならば、弁護士は捜査機関に対し、被害者との間で示談が成立した事実を意見することで、不起訴処分を獲得できる可能性を高めることができるからです。
弁護士法人あいち刑事事件法律事務所は、威力業務妨害罪をはじめとする様々な刑事事件を数多く扱う法律事務所です。過去に多くの刑事事件において、被害者の方との示談を成立させて参りました。
千葉県東金市で、威力業務妨害罪で逮捕されるかもしれないと心配されている方や、家族が逮捕されてどうしたらよいか相談されたい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料相談や、初回接見サービスをご利用下さい。