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自首の要件と効果~千葉市稲毛区の事例を基に解説~ | コラム | 刑事事件の弁護士なら千葉の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所

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自首の要件と効果~千葉市稲毛区の事例を基に解説~

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部自首成立する要件自首不成立となった事例について解説いたします。


【事例】

Aさんは、千葉市稲毛区にある自宅で被害者のVさんを殺害した後、この事実が捜査機関に発覚する前に、Vさんから依頼を受けてVさんを殺害した旨の虚偽の事実を記載したメモを遺体のそばに置きました。

その後、Aさんは自宅の外から警察署に電話をかけ、自宅に遺体があり、そのそばにあるメモを見れば経緯が分かる旨伝えるとともに、自宅の住所を告げ、その後、警察署において、司法警察員に対し、嘱託(依頼)を受けて被害者を殺害した旨の虚偽の供述をしました。
※事例は最決令和2年12月17日の判例を基にしたフィクションです。


【解説】

1 裁判所の判断 

裁判所は本件の事例について以下のように判断しました。
「被告人は、嘱託を受けた事実がないのに、嘱託を受けて被害者を殺害したと事実を偽って申告しており、自己の犯罪事実を申告したものということはできないから、刑法42条1項の自首は成立しないというべきである。」(最決令和2年12月17日)

つまり、AさんはVさんを殺害した殺人罪の事実について申告するべきなのに、嘱託殺人という別の犯罪について申告しても、自分の犯罪を申告したことにはならないから自首とはならないと判断しました。

もっとも、過去の事例において、虚偽の事実を述べたときでも「自首」は成立するとの判断をした判例(最決平成13年2月9日)も存在しており虚偽の申告をしてもすぐに自首が成立しなくなるというわけでもないので注意が必要です。

2 自首とは? 

自首とは、刑法42条に規定されている罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に、自発的に自己の犯罪事実を申告し、その処分を求める意思表示のことです。

刑法第42条 (自首等)
1項

罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

2項

告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。

自首が成立すると、刑が任意的に減刑されるという効果があります。

3 自首の成立要件は? 

刑法42条から自首の成立要件は以下のようになります。
①「罪を犯した者」が
②「捜査機関に発覚する前に」
③「自首」すること

4 参考条文 

刑法第199条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

刑法第202条 (自殺関与及び同意殺人)
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する。


【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部自首の成立する要件自首が不成立となった事例について解説致しました。
自首の成立の有無には、法的な専門知識が伴うため専門家である弁護士に相談をする必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、刑事事件を数多く扱う法律事務所です。
千葉県周辺に在住の方で、ご家族が警察に逮捕されてしまった方や、刑事事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご連絡ください。
逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に、弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。

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千葉支部 支部長 弁護士
上田  孝明

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