スーパーのアルバイトがレジ金を盗む行為は窃盗罪?業務上横領罪?〜窃盗と横領の違い〜
- 2023年11月12日
- コラム
業務上横領罪と窃盗罪は、どちらも他人の財物の自己の物にすることで成立する犯罪ですが、その成立条件や法的な扱いには重要な違いがあります。
そこで、今回は、事例を交えながら、窃盗罪と業務上横領罪の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
【事例】
千葉県松戸市内にあるスーパーでアルバイトとしてレジを担当している男性A(21)は、レジの中から現金2万円を盗みました。
後日、レジ金が合わないことを疑問に思った店長が防犯カメラを確認したところ、Aがレジからお金を盗んでいる姿が写っていました。
Aは店長から問い詰められ、アルバイトは解雇され、今回の件について松戸警察署に被害届を提出すると言われました。
今回のAの行為は、窃盗罪と業務上横領罪のどちらが成立するでしょうか。
(※この事例は全てフィクションです。)
【窃盗罪と業務上横領罪の違い】
窃盗罪は刑法第235条で規定され、業務上横領罪は刑法第253条で規定されており、どちらも他人の物(財物)を自分の物にすることで成立する罪です。
窃盗罪と業務上横領罪の大きな違いは、盗んだ(横領した)財物が「他人の占有下」にあるか「自己の占有下」にあるかです。
他人の占有下にある財物であれば窃盗罪、業務上自己の占有下にある他人の財物であれば業務上横領罪が成立します。
業務上自己の占有下にある他人の財物とは、商品の保管業務や経理業務などを担当している場合に、業務上管理を任される財物(商品やお金)を指します。
今回の事例で考えると、Aはアルバイトとして勤務していますが、スーパーの経理業務を担当している訳ではありません。
つまり、Aが盗んだレジ金はAの占有下ではなく店長(他人)が占有している財物に該当するため、今回のAの行為は、業務上横領罪ではなく窃盗罪が成立する可能性が高いです。
【窃盗罪の刑事弁護活動】
今回のAの行為は窃盗罪が成立する可能性が高く、窃盗罪で起訴されると「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」で処罰されることになります。
ただ、店長はまだ被害届を提出していないため、その前に被害弁償を行い、示談を締結することができれば、被害届が出されずに事件が解決するかもしれません。
また、被害届が提出されたとしても、被害弁償と示談締結がされていれば、検察官が不起訴処分を決定して起訴を免れることができる可能性もあります。
当事者間で被害弁償や示談交渉を進めようとすると、スムーズに進まないことが多く、別のトラブルに発展するおそれもあります。
なので、窃盗事件を起こしてしまい、被害者への被害弁償や示談を締結したい場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件はもちろん、様々な刑事事件で被害者との示談交渉を行い、示談を締結して不起訴処分を獲得した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
千葉県内で刑事事件を起こしてしまった方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご相談ください。
ご相談・ご依頼については24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)にて承っております。