電話de詐欺 特殊詐欺の受け子
- 2022年6月7日
- コラム
特殊詐欺事件を例に、特殊詐欺の受け子の役割について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説致します。
千葉県野田市の特殊詐欺
建設作業員Aさん(20代・男性)は、家族を養うために、良い副業はないかと、SNSを用いて#副業のタグを検索していました。
すると、「副業OK!単発のバイト!荷物のデリバリー!」という募集を見つけました。
Aさんはさっそく募集主XへDM(ダイレクトメール)を送り、Xからの指示を待ちました。
後日、Xからは「千葉県野田市のV宅へ行き、現金200万円を預かってきてほしい。預かったの現金は、野田市駅のコインロッカーへ預け入れてほしい」と指示を受けました。
Aさんは、これは特殊詐欺のバイトかもしれないと思っていましたが、Xの指示通りにVさん(70代・女性)の自宅へ赴き、現金200万円を受け取りました。
しかし、Vさんは既に特殊詐欺事件に気付いており、Aさんが到着する前に千葉県野田警察署に通報を入れていました。
そして、AさんはVさんの騙されたフリ作戦によって、待ち伏せしていた千葉県野田警察署の警察官によって、詐欺罪の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんが逮捕されたことを知ったAさんの妻は、刑事事件を扱う法律事務所に相談することにしました。
(フィクションです)
【受け子とは】
いまだに人の弱みに付け込みお金をだまし取ろうとするオレオレ詐欺等の特殊詐欺事件(千葉県警では特殊詐欺事件を『電話de詐欺』と呼称し、特殊詐欺事件への対策を強化しています。)が横行しています。
特殊詐欺事件は、組織化された犯行グループが事件に関わっており、捜査当局が取締りを強化していますが、現在も形を変え、巧みに人を騙し、被害金額は増え続けています。
上記した野田市の特殊詐欺事件例のAさんの様に、アルバイト募集に申し込んだつもりが特殊詐欺グループの一端を担っているケースも増えているようです。
「時給の高いバイトがある」「指示に従えば30分で1万円もらえるよ」など甘い言葉を巧みに、若者を騙し、特殊詐欺の受け子として詐欺事件に加担させます。
Aさんのように、指示役からの指示に従って、被害者から現金等を受け取る役目を受け子と言います。
受け子は、警察に逮捕されるリスクの高い役割です。
特殊詐欺グループの役割は細分化されており、Aさんのような受け子の他に、ATMなどから現金を引き出す出し子や、被害者宅へ電話を架けるかけ子など、様々な役割が存在しています。
【受け子で逮捕されたら何罪になる?】
受け子は、詐欺罪の共犯となります。
受け子は、騙された被害者から財物の交付を受けているため、詐欺罪の共同正犯として扱われます。
詐欺罪は刑法第246条に定められた犯罪です。
もし、受け子をし、詐欺罪で起訴され、有罪判決が下された場合、10年以下の懲役が科されます。
近年、特殊詐欺事件は大きな社会問題となっており、特殊詐欺事件に受け子や出し子として加担した被告人に対し、厳しい処罰が下される裁判例が増えております。
Aさんの様に「詐欺とははっきり聞かされていなかったが、まずいことをしているかも知れない」という認識で詐欺事件に加担していた場合も、有罪判決が言い渡される可能性は非常に高いです。
千葉県内で、詐欺の受け子の容疑で、ご家族が逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の初回接見サービスをご利用下さい。
弊所の初回接見サービスでは、弊所の弁護士が留置されているご本人様のもとへ向かい、事件の概要についてお話を聞かせていただきます。
その後、ご依頼してくださったご家族様へ、事件の見通しや弁護人としてできる活動をご報告させていただきます。
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