鉄道写真の撮影 往来危険罪となる行為
- 2022年6月28日
- コラム
往来危険罪とはどのような犯罪なのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説致します。
鉄道写真の撮影で往来危険罪
(以下は、往来危険罪について説明するためのフィクションです)
無職Aさん(20代・男性)は、千葉県いすみ市を走る、いすみ鉄道の〝キハ28″を撮影しようと思い、いすみ鉄道の線路内に立ち入り、三脚を設置しました。
しかし、いすみ鉄道の運転手がAさんの存在に気付き、電車を急停止させました。
結果、電車は運転見合わせとなり、その他の列車の運行にも影響が出てしまいました。
その後、Aさんは、千葉県いすみ警察署に任意同行を求められ、取調べを受けることとなりました。
不安になったAさんは、刑事事件を扱う法律事務所へ相談することにしました。
【往来危険罪】
往来危険罪は、あまり聞き馴染みのない罪名だと思います。
ここでは、往来危険罪について、説明を致します。
往来危険罪は、鉄道若しくはその標識を損壊し、又はその他の方法により、汽車又は電車の往来の危険を生じさせた場合に成立します。
その他の方法とは、汽車・電車・艦船の往来の危険を生じさせる一切の行為をいい、上記した事例のように、線路内に立ち入って三脚を置く行為は、その他の方法に含まれ、往来危険罪に該当する可能性があります。
往来の危険とは、汽車・電車・船舶の衝突・脱線・転覆・沈没・破壊など交通の安全を害するおそれのある状態をいいます。
この場合、線路内に立ち入って三脚を置く行為によって、走行する電車と衝突すしたり、車両が脱線する危険性が生じることも考えられます。
往来危険罪で有罪判決が下された場合、2年以上の有期懲役という非常に重い刑罰が科されます。
【在宅捜査】
犯罪をしたと疑われる被疑者が逮捕・勾留されてしまった場合、最大23日間、警察署内の留置施設に勾留されます。
一方、上記事件例のAさんのように、逮捕されずに捜査が継続される事件を、在宅事件と称します。
在宅事件の場合、明確な期間の定めはなく、捜査が完了し次第、警察から事件に関する書類が送られ(いわゆる書類送検)、
検察官は事件の捜査資料や、被疑者の取調べ等を行うことで、被疑者を起訴するかどうかを判断します。
検察官によって起訴された場合、公開の法廷で裁判が行われます。
逮捕されていない在宅事件からといって、処分が軽いものになるわけではありません。
在宅事件であっても、犯罪内容が身勝手で悪質な場合は、懲役刑が下される可能性はもちろんあります。
もし、上記した事件例のAさんが、往来危険罪を繰り返していた場合、懲役刑が下される可能性も十分考えられます。
犯罪行為に対し、どのような刑が下されるか、事件の見通しを知りたい方は、弁護士へご相談下さい。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の無料法律相談では、在宅事件で捜査を受けている方から、事件の内容についてお話を伺い、事件の見通しについてご説明をさせていただきます。
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