千葉県睦沢町で私電磁的記録不正作出事件 「SMS認証代行」が犯罪の温床に
- 2021年7月28日
- コラム
千葉県睦沢町の私電磁的記録不正作出事件を例に、SMS認証代行の違法性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説致します。
<千葉県睦沢町の私電磁的記録不正作出事件>
アルバイトAさんは、インターネット上に「SMS代行 1000円から」と書き込みをし、「ショートメッセージサービス(SMS)認証代行」をしていました。
Aさんが行っていたSMS認証代行とは、Aさんが依頼者に電話番号を伝え、依頼者がその電話番号をインターネットサービスに入力すると、Aさんの元に認証コードが送られてくるので、Aさんがその認証コードを依頼者に伝えることで、依頼者は匿名化されたアカウントを作成できる、というものでした。
Aさんは100件以上のSMS認証代行を行っていましたが、Aさんが認証代行を募集している投稿が千葉県茂原署に発見され、Aさんは私電磁的記録不正作出・同供用罪の疑いで取り調べを受けることになりました。
(フィクションです。)
<私電磁的記録不正作出罪>
刑法第161条の2第1項において「人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と規定されています。
私電磁的記録不正作出罪でいうところの「電磁的記録」とは、いわゆる「デジタルデータ」のことで、上記のAさんの場合ですと「認証コード」がそれにあたります。
Aさんが依頼者に代わり不正な認証コードをつくる行為は、私電磁的記録不正作出罪にあたると考えられるでしょう。
<「SMS認証代行」が犯罪の温床に>
SMS認証代行により作成された匿名アカウントが、犯罪に悪用される事例が増えてきているようです。
例えば、SMS認証代行サービスにより、IP電話アプリの匿名アカウントが作成され、そのIP電話アプリが特殊詐欺に用いられた事件もあったようです。
他にも、電子マネー決済サービスのアカウントの取得にSMS認証代行サービスが用いられ、多量のアカウントが作られ、不正にポイントが取得される事件もあったようです。
<私電磁的記録不正作出事件の増加>
検察庁の発表によると、私電磁的記録不正作出被疑事件での受理人員は、2016年が141件、2017年が168件、2018年が199件、2019年が208件と徐々に増えているようです。
SMS認証代行以外に、私電磁的記録不正作出罪として検挙された事件ですと、例えば架空の休日出勤データを入力して残業代を誤魔化した事件や、有料放送を見るためにB-CASカード改造した事件もあったようです。
ただし、これらは詐欺罪や不正競争防止法違反の罪にも問われる可能性もあるため、注意が必要です。
<不正作出事件に強い弁護士>
もし、不正に電磁的記録を作成してしまった場合、どのような刑事責任を負うことになるかは、刑事事件を専門とする弁護士に相談することをおすすめします。
ご自身が、私電磁的記録不正作出事件をし、警察からの取り調べを受けている場合や、ご家族が逮捕されてしまった場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の無料相談または初回接見サービスをご利用下さい。
不正作出事件に関するご相談は24時間、フリーダイヤル0120-631-881にて年中無休で承っておりますので、お気軽にご連絡下さい。