千葉県野田市で自動車盗　「タブレット端末」使う新たな手口

千葉県野田市の自動車盗事件を例に、自動車盗の最新の手口や、千葉県内での自動車盗事件の発生状況について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説致します。

千葉県野田市の自動車盗事件

Ａさんは、ある日の深夜、千葉県野田市にある高級外車専門の販売店に忍び込み、タブレット端末を利用して自動車のセキュリティーシステムに接続する方法で、展示してあった高級外車のセキュリティーロックを解除してエンジンを始動させ、高級外車を盗みました。
そして犯行から数か月後、Ａさんは、販売店からの被害届を受けて捜査をしていた千葉県野田警察署によって窃盗罪（自動車盗）の容疑で逮捕されました。
（フィクションです。）

窃盗罪で逮捕された場合

窃盗罪は、刑法第２３５条において「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし１０年以下の懲役又は５０万円以下の罰金に処する。」と規定されています。
窃盗罪の量刑は、窃盗罪の前科の有無や、被害金額により、大きく異なってきます。
万引きのような被害額が数百円から数千円のような窃盗事件ですと、初犯であれば不起訴になる可能性が十分に考えられますが、自動車盗事件のように、自動車という高額なものを窃盗した場合、たとえ窃盗の前科が無かったとしても、逮捕・勾留され、その後、起訴される可能性が高いといえます。

検察庁の発表によりますと、２０１９年に窃盗罪で逮捕・勾留された被疑者の起訴率は約６０％だったようです。
この結果からも、窃盗罪で逮捕された場合、公判請求される可能性が比較的高いことがわかります。
（検察庁統計『２０１９年　罪名別　既済となった事件の被疑者の勾留後の措置』）

自動車窃盗の新たな手口

少し前であれば、スマートキーから発せられる微弱電波を拾って、自動車のドアロックを解除させる「リレーアタック」という手口の自動車盗が世間を騒がせましたが、リレーアタックを防止する防犯グッズが多く出回っているためか、最近では、自動車のコンピュータシステムに直接アクセスしてセキュリティーを解除させる手口の自動車盗が増加傾向にあるようです。
これは、自動車のセキュリティーシステムが、コンピューター制御されていることが悪用されています。
具体的な手口は、自動車の配線にタブレット端末を直接接続し、車のコンピューターシステムを不正に作動させることで、車のセキュリティーの解除やドアロックの解除、エンジンの始動させるというものです。
この手口は数分間という短い時間での犯行が可能であることから、今後も同様の手口での自動車窃盗が増えていくと考えられます。

千葉県内の自動車窃盗発生状況

千葉県内の自動車盗発生件数は、全国ワースト１位です。
（千葉県警察本部『自動車盗難発生分析　令和３年７月末(暫定値)』より）
令和３年７月末時点での千葉県内の自動車窃盗事件の認知件数は、４２９件だったようです。
そのなかでも、最も多くの自動車窃盗事件が発生した地域は、千葉県野田警察署が管轄する地域だったようです。（４３件）

また、前年７月末時点の自動車窃盗の発生件数と、今年の発生件数を比較したとき、件数が２倍以上も増えている地域もあるようです。
具体的には、野田市（２０件→４３件）や香取市（６件→１３件）、旭市（８件→２０件）などが該当します。

自動車窃盗事件の弁護活動

自動車窃盗事件は、被害額が高額であるため、重い処罰が下される可能性の高い事件です。
このような事件で、刑の減軽や執行猶予判決を獲得するためには、被害者の方に対する被害弁償や謝罪をするなど、被害者との間で示談を成立させることが、とても重要です。
弁護士は、被疑者・被告人の代理人として、被害者の方との示談成立に向けて活動することが可能です。
もし、自動車窃盗をし、警察からの取り調べを受けている方や、ご家族が逮捕されてしまった場合は、すみやかに弁護士にご相談下さい。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、窃盗事件に関するご相談を２４時間年中無休で承っております。
ご相談は、フリーダイヤル０１２０－６３１－８８１まで、お気軽にご連絡下さい。