ひき逃げ・当て逃げ事件について
- 2021年1月6日
- コラム
飲酒運転の発覚をおそれて逃走した、ひき逃げ・当て逃げ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
交通事故を起こしてしまった方のほとんどはパニックになってしまうと言います。
中には、様々な不安から交通事故を起こしてしまって、警察への届け出や、負傷者の救護をすることなく、その場から逃走してしまい、思わぬ大事に発展し、後に後悔してしまう方もいるかと思います。
そこで本日は交通事故を起こしてしまったのに、とるべき措置をとらずに逃走してしまった場合に適用される法律について解説します。
交通事故は刑事事件ですか?
まず交通事故について解説します。
そもそも交通事故を起こしてしまうと刑事事件になるのでしょうか?
交通事故は、大きく分けて物損事故と人身事故の2種類が存在します。
物損事故とは、誰も怪我をしていない事故のことで、人身事故とは、交通事故に巻き込まれた方が怪我をしてしまった事故を意味しますが、手続き上、物損事故と人身事故は、医師の診断書が警察に提出されるかどうかで判断されます。
物損事故の場合、事故を起こしてもきちんと警察に事故を届け出れば刑事事件に発展する可能性は極めて低く、事故によって損壊した物の賠償が問題となります。
しかし人身事故の場合は、きちんと警察に事故を届け出て、負傷者の救護をしていても刑事事件に発展する可能性があります。
その場合は、過失運転致死傷罪という法律が適用され、過失の割合が大きければ略式罰金や、場合によっては、正式起訴されて刑事裁判を受けなければならなくなってしまいます。
ひき逃げと当て逃げ
交通事故を起こしたのに、警察に事故を届け出る等の措置をとらずに、事故現場から逃走すればひき逃げや、当て逃げといった刑事事件に発展してしまいます。
一般的に、物損事故を起こして逃走すれば「当て逃げ」、人身事故を起こして逃走すれば「ひき逃げ」と表現されているのですが、当て逃げ罪や、ひき逃げ罪といった法律はなく、道路交通法違反の適用を受けることになります。
~「当て逃げ」の刑事処分~
当て逃げについては
・道路上の危険を防止する措置を講じなかった場合には、1年以下の懲役または10万円以下の罰金
・警察への報告をしなかった場合には、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金
の刑事処分が科せられる可能性があります。
~「ひき逃げ」の刑事処分~
人身事故を起こしたことについては、過失運転致死傷罪の適用を受け、この罪の法定刑は「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」です。
そして、この罰則に加えて、負傷者を救護せずに逃走したことについて、救護義務違反の適用を受けることになります。
救護義務違反については「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」の法定刑が設けられているので、ひき逃げ事件を起こした場合より厳しい刑事罰を受ける可能性があるので注意が必要です。
ひき逃げ・当て逃げ事件に強い弁護士
ひき逃げ事件は、初犯であっても、過失の度合いや、被害者の負傷程度によっては刑事罰が科せられる可能性のある犯罪です。
ひき逃げ・当て逃げ事件を起こしてしまって不安のある方は、是非一度、刑事事件に強いと評判の、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部にご相談ください。