ひき逃げで問われる可能性がある罪は?~千葉県市川市で起きたひき逃げ事件~
- 2024年1月14日
- コラム
ひき逃げは、交通事故後に現場から逃走する行為を指し、負傷者に対する救護や警察への報告義務を怠ることで、重大な法的責任を問われます。
今回は、ひき逃げで問われる可能性がある罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律所千葉支部が解説します。
【事例】
千葉県市川市在住の男性A(51)は、乗用車を運転中に交差点で右折しようとした際、直進してきた女性V(32)のミニバイクと衝突しました。
この事故でVは左脚骨折の重傷を負いましたが、Aはその場から逃走しました。
目撃者や防犯カメラの映像からAが特定され、後日、Aは自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕されました。
(※この事例は全てフィクションです。)
【ひき逃げとは】
ひき逃げとは、交通事故を起こした後、現場から逃走し、負傷者への救護措置を行わず、警察への報告を怠る行為を指します。
法律上、この行為は重大な違反とされ、道路交通法第72条第1項において、交通事故が発生した際には、運転手や乗務員は直ちに車両を停止させ、負傷者の救護と警察への報告義務があることが定められています。
ひき逃げを行うことは、この法的義務を無視する行為であり、道路交通法違反に問われることになります。
さらに、事故によって人が死傷した場合、自動車運転処罰法に基づく過失運転致傷罪や過失運転致死罪に問われる可能性もあります。
このように、ひき逃げは単なる交通違反ではなく、法的にも道徳的にも重大な犯罪行為として扱われます。
【ひき逃げで問われる可能性がある罪】
ひき逃げ事件において、加害者が問われる主な罪は、道路交通法違反と自動車運転処罰法違反です。
道路交通法第72条では、交通事故発生時に運転者が負傷者の救護や警察への報告を義務を果たす必要がある旨が規定されています。
救護義務や報告義務を怠った場合、ひき逃げとみなされ、法的な罰則が適用されます。
具体的には、人の死傷を伴う交通事故で救護義務や報告義務を怠った場合、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されることがあります。
さらに、その事故が運転者の運転に起因する死傷である場合、罰則はより重く、10年以下の懲役または100万円以下の罰金に処される可能性があります。
一方、自動車運転処罰法では、運転上の過失により人を死傷させた場合、過失運転致傷罪に問われます。
この法律によると、必要な注意を怠り、人を死傷させた場合、7年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されます。
事故による傷害が軽い場合でも、情状によっては刑が免除されることはあるものの、重大な過失があった場合は、罪の重さが増します。
ひき逃げ事件では、単に現場から逃走したという行為だけでなく、事故の結果として発生した死傷に対する責任も問われるため、複数の罪に問われる可能性が高くなります。
【ひき逃げ事件を起こしたら弁護士へ】
ひき逃げ事件における弁護士への相談は、法的な問題に直面した際に適切な対応を行うために極めて重要です。
ひき逃げは、その性質上、複数の法律違反が絡み合う複雑な事件であり、被疑者や被告人が自身の立場を守るためには専門的な知識が必要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、ひき逃げ事件はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
千葉県内でひき逃げ事件を起こしてしまった方や、ご家族がひき逃げで逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律所千葉支部までご相談ください。