覚醒剤事件と逮捕の種類を解説
- 2021年1月29日
- コラム
覚醒剤事件と逮捕の種類について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
覚醒剤の使用容疑で逮捕
千葉県習志野市に住むAさん(23歳)は、覚醒剤の常習使用者であるBさんに「シャブ持っていないか。」「打ち方分からないから打ってくれないか。」などと頼み、Bさんに覚醒剤入り水溶液の注射器を右腕に注射してもらいました。
後日、Aさんは路上を歩いていると、Aさんの行動に不審を感じた千葉県習志野警察署の警察官から職務質問を受けました。
そして、Aさんは尿の任意提出を求められ、これに応じたところ、尿から陽性反応が出て、Aさんは覚醒剤取締法違反(使用罪)の件で緊急逮捕されました。
(フィクションです。)
通常逮捕
逮捕とは、被疑者の身体を拘束し、引き続き短期間の拘束を継続することをいい、通常逮捕、緊急逮捕、現行犯逮捕の3種類があります。
そして、通常逮捕とは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状によってする逮捕をいいます。
通常逮捕の特徴は、裁判官のあらかじめ発する逮捕状を必要とする点です。
つまり、この逮捕状がなければ被疑者を逮捕することはできません。
では、どういう場合に逮捕状が発せられるのかといえば
〇逮捕の理由(=被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があること)
〇逮捕の必要性
が存在する場合とされています。
裁判官から発布された逮捕状が捜査機関により、いつ執行されるのかは分かりません。
発布された逮捕状には有効期限が定められていますから、その有効期限内であればいつでも執行することができますし、それなりの理由があれば、時効を迎えるまで逮捕状の有効期限は更新し続けることができます。
現行犯逮捕
現に罪を行い、又は現に罪を行い終わった者を現行犯人といい、これらの者を逮捕することを現行犯逮捕といいます。
現行犯逮捕の特徴は
〇裁判官の令状(逮捕状)が不要なこと
〇私人(捜査機関以外の者)でも逮捕が可能なこと
です。
これは、現行犯人は、逮捕者にとって犯罪と犯人が明白であることから、誤認逮捕のおそれがなく、犯人を確保し、犯罪を制圧するなど速やかに犯人を逮捕する必要も高いことがその理由とされています。
覚醒剤事件の場合、所持事案では現行犯逮捕されるケースが多いようです。
緊急逮捕
緊急逮捕は、被疑者が一定の罪を犯したと疑うに足りる充分な理由がある場合の逮捕状なしの逮捕(無令状逮捕)のことをいいます。
逮捕の時点で令状なしに逮捕されるという点では現行犯人と同様ですが、事後的に逮捕状を得る必要がありますし、逮捕者が現に犯行を目撃したわけでもありません。
また、逮捕状が必要という点では通常逮捕と同様ですが、逮捕時点では必要ありません。
緊急逮捕は
〇逮捕できる罪が「死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪」と限定されていること
〇逮捕の理由としては、罪を犯したと疑うに足りる「充分な理由」が存在する必要があること
という点で、現行犯逮捕と異なります。
「充分な理由」とは通常逮捕の「相当な理由」よりも高度な嫌疑のあることを要するとされています。
これは、緊急逮捕が逮捕時点で無令状で逮捕できるとされていることから、逮捕に当たっては特に慎重を求める必要があるからです。
覚醒剤事件の場合、使用事案では緊急逮捕されるケースが多いようです。
逮捕後の流れ
何れの逮捕でも、逮捕後の流れ同じで、その流れは以下のとりです。
逮捕
↓
留置場に収容
↓
送検
↓
勾留請求
↓
勾留決定
↓
捜査(取調べなど)
↓
起訴・不起訴
↓
刑事裁判(起訴された場合)
↓
判決
逮捕から勾留決定まではおおよそ3日間です。
勾留後ははじめは10日間、その後やむを得ない事由がある場合は最大10日間期間を延長されます。
勾留期間中に取調べなどの捜査を受け、起訴あるいは不起訴の判断を受けます。
起訴された場合は刑事裁判を受けなければなりません。
なお、起訴後は保釈請求することができます。
覚醒剤事件に強い弁護士
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