高校生の傷害事件 処分の種類について
- 2021年7月12日
- コラム
高校生による傷害事件を例に、少年事件の処分の種類について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
高校生による傷害事件
茂原市の公立高校に通うA君は、高校の同級生と些細なことからトラブルになり、この同級生の顔面を数発、手拳で殴り付けてしまいました。
同級生は、A君の暴行で鼻骨を骨折する傷害を負ったようで、後日、両親と共に千葉県茂原警察署に被害届を提出しました。
しばらくしてA君は千葉県茂原警察署に何度か呼び出されて、警察官の取調べを受け、現在は家庭裁判所からの呼び出しを待っている状態です。
A君の両親は、A君がどのような処分になるのか不安です。
(フィクションです)
傷害事件
A君のように人を殴って(暴行して)相手に傷害を負わせれば「傷害罪」となります。
傷害罪は刑法第204条に規定された法律で、その法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」である事が定められています。
法定刑とは、その罪を犯して有罪が確定した時に科せられる刑罰ですが、成人の被疑者(被告人)が対象となり、A君のような少年事件の場合、このような刑罰が科せられることがありません。(ただし逆送された場合を除く)
少年事件は少年法に則って、少年審判で、少年に対する処分が決定するのです。
少年事件の流れ(逮捕されていない場合)
基本的に最初は警察の捜査が行われ、警察での捜査が終了すれば、一度、管轄の検察庁に送致されて、そこから家庭裁判所に事件が送致されます。
家庭裁判所では、調査官が少年本人や保護者等と面接して、非行事実や審判条件について調査し、どのような処分が有効・適切かを調べます。
これを「調査」と言います。
そして、この調査結果を踏まえて審判で処分が決定するのですが、家庭裁判所の調査の過程で少年鑑別所に収容する「観護措置」が決定されることがあるので注意しなければいけません。
処分の種類
少年審判で決定する処分は以下のとおりです。
〇不処分
家庭裁判所は、審判の結果、保護処分に付することができないと認めた場合、または保護処分に付する必要がないと認めるときは、その旨の決定をしなければならないとされており、この決定を、不処分決定といいます。
〇保護観察
保護観察とは、少年を施設に収容することなく、社会の中で生活させながら、保護観察所の指導監督及び補導援護という社会内処遇によって、少年の改善更生を図ることを目的として行う保護処分のことをいいます。
〇児童自立支援施設等送致
児童自立支援施設送致が選択される少年は、少年院送致が選択される少年と比べると、非行性が進んでおらず、少年自身の素養よりも保護者が養育を放棄していたり、少年を虐待していたりするなど家庭環境等に問題がある場合です。
〇少年院送致
少年院では、特別の場合以外は外出を許さず、非開放的な施設で生活させ、規律ある生活に親しませて生活訓練を行い、規律に違反した者に対しては懲戒を行うなどして、少年に対して矯正教育を授ける施設です。
少年院送致は、少年の自由を拘束する点で保護処分のうち、最も厳しい決定といえます。
〇検察官送致(逆送)
家庭裁判所は、①調査あるいは審判の結果、本人が20歳以上であることが判明したとき、及び、②死刑、懲役または禁固に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分相当と認めるときは、事件を検察官に送致を決定しなければならないとされています。
※ちなみに、家庭最場所での調査の結果によっては少年審判が行われない場合があります。
これを「審判不開始」といいます。
少年事件に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、少年事件に強いと評判の弁護士事務所です。
これまで数多くの少年事件を扱ってきた実績があり、多くの少年の更生をサポートしてまいりました。
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