強制わいせつ致傷罪で起訴 裁判員裁判に強い弁護士
- 2020年9月24日
- コラム
強制わいせつ致傷罪で起訴されて裁判員裁判になった事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
強制わいせつ致傷罪で起訴
会社員のAさんは、数カ月前に、千葉県いすみ市の路上を歩いていた若い女性に対して、わいせつ目的で暴行を加える事件を起こしました。
この事件で被害者の女性は、全治2週間の傷害を負ってしまい、Aさんは、強制わいせつ致傷罪で、千葉県いすみ警察署に逮捕、勾留された後に、起訴されました。
Aさん刑事裁判が裁判員裁判で行われることを知った家族は、裁判員裁判に強い弁護士を探しています。
(※こフィクションです。)
強制わいせつ致傷罪
強制わいせつ致傷罪は、強制わいせつ罪を犯した際に相手に怪我をさせてしまったような場合に成立する犯罪です。
刑法第176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
刑法第第181条第1項
第176条、第178条第1項若しくは第179条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の懲役に処する。
強制わいせつ罪は、条文にある通り、「暴行又は脅迫を用いて」わいせつな行為をする犯罪です。
「暴行又は脅迫」が手段として使われることから、そのせいで被害者が怪我をしてしまうこともあり、そういったケースについてより重く処罰する犯罪が強制わいせつ致傷罪であるといえます。
なお、強制わいせつ致傷罪が成立するのは、「暴行又は脅迫」によって被害者が怪我をした場合だけでなく、「わいせつな行為」によって被害者が怪我をした場合も含みます。
そして、強制わいせつ致傷罪で気をつけなければいけないことの1つとして、「わいせつな行為」が未遂であっても(強制わいせつ未遂罪にあたる行為であっても)、被害者に怪我をさせてしまった場合には強制わいせつ致傷罪が成立するということが挙げられます。
強制わいせつ致傷罪の条文を見てみると、「第176条(注:強制わいせつ罪)…又はこれらの罪の未遂犯を犯し」と書いてあることが分かります。
ですから、たとえわいせつな行為をするに至っていなくとも、強制わいせつ致傷罪に問われることもあるのです。
裁判員裁判
条文にある通り、強制わいせつ致傷罪の刑罰には無期懲役が含まれています。
したがって、強制わいせつ致傷事件の裁判は裁判員裁判の対象となります(裁判員法第2条第1号)。
裁判員裁判の対象となるのは、死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件、死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪に係る事件で故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係る事件であるとされています(裁判員法第2条)。
裁判員裁判では、法律の専門家ではない一般の方々が裁判員として参加されます。
したがって、刑事事件に精通している弁護士が裁判員の方々にわかりやすく被告人側の事情や主張を説明していく必要があるといえます。
また、裁判員裁判では、手続きの流れに一般の刑事裁判と異なる部分があります。
例えば、裁判員裁判では、公判前整理手続という証拠や争点を整理する手続きが必ず行われてから裁判が始まります。
この公判前整理手続は裁判本番というわけではありませんが、裁判で使用する証拠や裁判で問題となる争点を絞り込む手続であるため、この公判前整理手続にも十分な準備と活動が求められます。
さらに、裁判員裁判の裁判は集中的に開かれることが多く、1回1回の裁判が1か月~2か月程度の間隔で開かれる通常の刑事裁判と日程の面でも異なります。
こうした日程にも対応できるよう、刑事事件に強い弁護士に相談・依頼することが望ましいでしょう。
裁判員裁判に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部には、刑事事件専門の弁護士が所属しています。
強制わいせつ致傷罪の裁判員裁判にも対応が可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。