教師によるわいせつ事件 懲戒免職になるの?
- 2020年12月8日
- コラム
わいせつ事件を起こした教師が懲戒免職になるのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
教師によるわいせつ事件
Aさんは、東金市内の公立中学校で教師をしています。
Aさんは半年ほど前に、SNSで知り合った千葉市内に住む女子高生(16歳)と仲良くなり、この女子高生から下着姿の画像をメールでもらっていました。
しかし1ヶ月ほど前から、その女子高生と全く連絡がつかなくなったのです。
どうしたのかと不安に思っていた矢先、Aさんの自宅に、千葉県警察本部の捜査員が訪ねて来ました。
捜査員は、Aさんの自宅を捜索し、Aさんのスマートフォンを押収すると共に、Aさんを逮捕したのです。
Aさんの逮捕を知った家族は、このままではAさんんが懲戒免職になるのではないかと不安です。
(フィクションです。)
教師によるわいせつ事件
教師など教育の現場に携わる人たちによるわいせつ事件が相次いでいることを皆さんはご存知でしょうか?
こういった事から、ある政治家は、保育や教育の現場への就労希望者に「無犯罪証明書」を提出させる制度の創設を要望しているようです。
教師など教育の現場に携わる人たちによるわいせつ事件は、新聞やテレビで実名報道されるリスクが高いことから、刑事処分の他にも、様々な不利益を被ることになりますが、その代表的なのが懲戒免職など職場での処分です。
教師によるわいせつ事件とは
文部科学省は、教職員によるわいせつ行為について原則として「懲戒免職」とするように各教育委員会に通知しているようです。
ここでいう「わいせつ行為」とは、強制性交等や強制わいせつ、公然わいせつ、痴漢、のぞき、青少年保護条例違反や盗撮、児童ポルノ法違反などですが、刑事事件化されないような行為であっても懲戒免職の対象となる点については注意が必要です。
最近では、通勤途中の電車内で痴漢をした教師が警察に逮捕されたり、ショッピングモールで女児のスカート内を盗撮した教師が警察に逮捕された事件が報道されていました。
Aさんの事件は?
さてAさんの行為は何の罪になるのでしょうか?
Aさんは、16歳の女子高生から下着姿の画像をメールでもらっています。
この行為は、児童ポルノ禁止法違反に抵触するでしょう。
児童ポルノ禁止法では、児童ポルノの所持や製造等を禁止しているのですが、Aさんのように、SNS上でのやりとりで児童ポルノに当たるような写真を要求し、実際に送られてきたような場合には、児童ポルノの製造罪となり、「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」の刑事罰を受ける可能性があります。
また、相手が一方的に送り付けてきたような場合であってもその画像を保存していたような場合には、児童ポルノの所持罪となってしまう可能性が高いです。
児童ポルノの所持罪の罰則は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となっています。
懲戒免職になるの?
上記したように、文部科学省は、教職員によるわいせつ行為について原則として「懲戒免職」とするように通知しているようですが、実際の処分は各教育委員会に委ねられており、その処分にはばらつきがあるようです。
各都道府県の教育委員会は、事件、事案の概要や、事件を起こした教師の勤務態度などを総合的に判断して最終処分を決定するようですが、中には生徒や卒業生等の嘆願書によって懲戒処分を免れた教師もいるようです。
刑事事件に強い弁護士に相談
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、刑事弁護活動だけでなく、事件を起こしてしまった方の社会復帰をサポートいたします。
ご家族、ご友人が刑事事件を起こして逮捕されてしまった方、教師によるわいせつ事件に強い弁護士をお探しの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部にご相談ください。