未成年との性行為と逮捕①

未成年との性行為と逮捕について，弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

【ケース】

会社員のAさんは，同じ趣味を持つ人とつながるために，SNSを利用して様々な年代の人と交流していました。
その中で，Aさんは中学3年生のVさんと特に親密になりました。
ある日，AさんはVさんから「会ってみたい」と言われたため，Vさんが住む千葉県市川市にあるVさん宅へ行きました。
そして，「今日うち親いないから」と言われたことから，AさんはVさんと性行為に及びました。
後日，AさんはVさんの母親を名乗る者から「娘から話を聞きました。警察に行きます」と連絡を受けました。
自身が逮捕されるのではないかと不安に思ったAさんは，逮捕の可能性を含めて弁護士に相談することにしました。

（フィクションです。）

【未成年との性行為により成立する可能性のある罪】

今回のケースにおいて，Aさんは中学3年生のVさんと性行為に及んでいます。
このような場合，どのような犯罪が成立する可能性があるのでしょうか。

1.　千葉県青少年健全育成条例違反（淫行の罪）

まず，各都道府県の青少年健全育成条例（名称は都道府県により若干の差異あり）が定める，「淫行」と呼ばれるものに該当する可能性があります。
簡単に言うと，以下の要件を満たす場合は淫行の罪に当たる可能性があります。

①18歳未満の者に対する性的な行為をしたこと
②不当な手段を用いた，あるいは単に性的欲求を満たすために行為に及んだこと

罰則は2年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

なお，手段の内容次第では，相手方の意に反して無理やり性的な行為に及んだとして，強制性交等罪または強制わいせつ罪に当たる余地があります。

2.　児童買春の罪

18歳未満の者と同意のもと性的な行為をした場合に，金銭などの利益が対価とされていると，児童買春として淫行より重く罰せられる可能性が出てきます。
詳しい定義などは，「児童買春，児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」に規定されています。
罰則は5年以下の懲役または300万円以下の罰金です。

3.　強制わいせつ罪または強制性交等罪

仮に，暴行や脅迫を用いたり，抵抗できない状態を利用したりして無理やり性的な行為に及んだ場合，強制わいせつ罪または強制性交等罪が成立する可能性があります。
更に，相手方が13歳未満の者であれば，暴行や脅迫といった要件は不要となり，性的な行為のみで強制わいせつ罪または強制性交等罪が成立する余地があります。
一般的な性交，肛門性交，口腔性交を行えば強制性交等罪に，それ以外のわいせつな行為であれば強制性交等罪に当たるでしょう。
強制性交等罪の法定刑は5年以上の有期懲役，強制わいせつ罪の法定刑は6か月以上10年以下の懲役です。
そのため，淫行や児童買春と比較して，一般的に厳しい刑が科されることが予想されます。

以上のように，未成年と性的な行為に及んだ場合，具体的な行為の内容や状況などに応じて成立する罪がかなり異なってきます。
それに応じて予想される刑罰も軽いものから重いものまで多種多様なので，ご不安であれば一度弁護士に相談することをおすすめします。

次回の記事では，今回のケースでAさんが懸念されている逮捕について解説します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、未成年と性行為をしてしまったケースについて真摯に相談に対応いたします。
未成年との性行為を行ってしまったら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。