未成年との性行為と逮捕②
- 2020年5月22日
- コラム
未成年との性行為と逮捕について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
【ケース】
会社員のAさんは,同じ趣味を持つ人とつながるために,SNSを利用して様々な年代の人と交流していました。
その中で,Aさんは中学3年生のVさんと特に親密になりました。
ある日,AさんはVさんから「会ってみたい」と言われたため,Vさんが住む千葉県市川市にあるVさん宅へ行きました。
そして,「今日うち親いないから」と言われたことから,AさんはVさんと性行為に及びました。
後日,AさんはVさんの母親を名乗る者から「娘から話を聞きました。警察に行きます」と連絡を受けました。
自身が逮捕されるのではないかと不安に思ったAさんは,逮捕の可能性を含めて弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
【刑事事件における逮捕の意味】
世間一般の感覚からすれば,逮捕されるということは犯罪をしたということであり,逮捕されること自体が刑事事件において極めて重大な意味を持つように思えるかもしれません。
今回は,実際のところ逮捕とは何なのかという点を掘り下げていきます。
・逮捕の目的
ご存知の方も多いかと思いますが,逮捕とは被疑者の身体を拘束する手続です。
刑事事件における逮捕の目的は,被疑者の身柄を確保して逃亡や証拠隠滅を防ぐことで,裁判で有罪を立証するための証拠を円滑に収集するためです。
そのため,逮捕されたからといって確実に有罪になるというわけではありませんし,罪が重いから逮捕するというわけでもありません。
ただし,罪の重さと逮捕の関係については,必ずしもつながりがないとは言い切れないのが実情です。
一般的に,重い罪を犯せば厳しい刑罰が科されやすく,それを避けるために逃亡や証拠隠滅をする可能性が高いと評価される傾向にあるからです。
・「逮捕」という言葉の使い分け
刑事事件における身体拘束は,厳密に言うと逮捕と勾留という二段構えになっています。
被疑者(容疑者)として手錠をかけられ身柄を確保されると,ひとまずそこから最大で72時間の身体拘束が行われることになります。
法律上は,この身柄の確保から72時間の身体拘束のことを「逮捕」としています。
そして,この期間中に捜査機関と裁判所が長期間の拘束の必要性を検討し,必要ということになれば最低10日間の身体拘束が行われます。
これが勾留です(刑罰の一種である「拘留」とは異なるため注意)。
そのため,法律上の「逮捕」の正確な意味は,身柄を確保されてから勾留されるまでの期間ということになります。
とはいえ,勾留されている状態の被疑者も便宜上「逮捕されている」と言うことは珍しくないので,ひとまず「逮捕とは身体拘束を意味する」と覚えておいてもそこまで問題はないでしょう。
【逮捕の可能性】
繰り返しになりますが,逮捕の主たる目的は逃亡と証拠隠滅の防止です。
そのため,逮捕の可能性を考える際にも,個々の事案において逃亡や証拠隠滅に及ぶ危険性が高いと評価されるかどうかという視点が重要になると考えられます。
先述のとおり,重い罪を疑われていれば一般的に逮捕の可能性は高まることが見込まれます。
たとえば,殺人罪を犯したことが強く疑われる場合,逮捕されないまま捜査が進められるということは稀です。
また,事件の内容が複雑である場合にも,証拠隠滅の可能性を危惧して逮捕される可能性が高まることがありえます。
たとえば,コンピューターを駆使した犯罪については,データの改ざんや履歴の消去などができないよう念のため逮捕しておく可能性が否定できません。
逮捕の可能性がどの程度あるかという点は,やはり事件の内容をある程度聞かなければ判断が難しいことが多いです。
ですので,もし逮捕の可能性をお知りになりたいのであれば,弁護士に一度相談するのが賢明でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、未成年と性行為をしてしまったケースについて真摯に相談に対応いたします。
未成年との性行為を行ってしまったら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。