詐欺容疑で捜索差押え(ガサ)にどう対処すべきか
- 2020年12月18日
- コラム
詐欺容疑で捜索差押え(ガサ)にどう対処すべきかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
詐欺容疑で捜索差押え(ガサ)
Aさんは、千葉県流山市の会計事務所に勤めています。
今朝出勤すると、千葉県流山警察署の捜査員が複数人で事務所を訪ねてきました。
捜査員は、「詐欺容疑で事務所内をガサする。」と言って、Aさんに捜索差押許可状を見せてきました。
気が動転していたAさんは、捜査員の指示に従って約1時間の捜索に立ち会いました。
捜索では、パソコンや顧客名簿などが警察に押収されたようです。
(フィクションです。)
捜索差押え(ガサ)とは
捜索差押えは、警察等の捜査当局が証拠品を押収するための強制捜査の一つです。
捜索差押えは大きく分けて、裁判官の発する捜索差押許可状に基づいて行われるものと、逮捕にともなって行われるもの(捜索差押許可状はない。)の二通りがありますが、Aさんが立ち会った捜索差押え(ガサ)では、捜査員が捜索差押許可状を提示しているので前者となるでしょう。
このような捜索差押え(ガサ)は、強制捜査なので拒否することができませんが、立会人となることは拒否できます。
ただ立会人になることを拒否したところで、捜索差押え(ガサ)が中止されるとは考えられず、警察等の捜査当局は他の立会人を探してくるか、関係者の中に立会人がいない場合は、地方公務員を立会人として捜索差押え(ガサ)を強行するでしょう。
裁判官の発した捜索差押許可状がある以上、捜索を免れることは不可能に近いので、その捜索差押え(ガサ)が適法に行われるかを注意した方がいいでしょう。
捜索差押許可状とは
さてここで、裁判官の発する捜索差押許可状について解説します。
この捜索差押許可状は、警察等捜査当局が裁判所に請求して、裁判官が捜索差押え(ガサ)の必要性を認めた場合に発する許可状です。
捜索差押許可状には、誰に対して、どのような犯罪の嫌疑がかけられているのかが明記されています。※被疑者不詳の場合もある。
つまり裁判の発した捜索差押許可状が存在するということは、誰かに対して、特定の犯罪の嫌疑(疑い)がかけられていて、その事件を警察等の捜査当局が捜査していることになります。
捜索差押許可状には、発付日と発付した裁判官の氏名、押印そして、捜索差押許可え(ガサ)の有効期間、捜索すべき場所と、差し押さえるべき物が絶対に明記されています。
立会人には、捜索差押え(ガサ)を開始する際に、この捜索差押許可状が提示されるので、こういった内容が明記されているかを確認する必要があります。
また捜索差押許可状に、夜間執行できる旨が明記されていなければ、日出前、日没後には、人の住居や人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に対する捜索差押え(ガサ)を行うことはできません。
捜索差押え(ガサ)に立ち会う際に注意すべきこと
捜査員から提示された捜索差押許可状の内容をよく確認してください。
捜索すべき場所の、住所番地や、屋号等が正しく記載されているか確認し、そこに記載されていない所にまで捜査員の捜索が及んでいないかを注意してください。
例えば、捜索差押許可状の捜索すべき場所に「千葉県流山市●●町●番●号 ▲■会計事務所内」としか記載されていない場合は、事務所の外にある倉庫などは捜索の対象外となります。
また差し押さえるべき物が、何なのかをよく確認してください。
「差し押さえるべき物」とは、捜査当局が捜索によって発見すれば、押収できる物です。
逆に言うと、ここに明記されていない物については、どんなに警察等の捜査に必要な証拠であっても、警察等の捜査当局は押収できないので注意してください。
任意提出には注意が必要
上記したように、捜索差押許可による捜索差押え(ガサ)では、許可状に明記されている物しか押収されません。
捜索によって、許可状に明記されていない証拠物が発見された場合、警察等の捜査当局は、立会人に任意提出を求めてきます。
捜索差押え(ガサ)の手続きと並行して、任意提出の手続きが行われる場合がほとんどなので、任意提出も拒めないと勘違いする方が多くいますが、任意提出については「任意」なので、拒むことができます。
一度任意提出してしまうと、提出者の都合で警察等に返還を求めてもなかなか応じてもらうことができないので任意提出する際は注意するようにしてください。
捜索差押え(ガサ)を受けた方は弁護士に相談を
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