執行猶予中の逮捕
- 2021年5月12日
- コラム
執行猶予中の逮捕について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
ご家族が執行猶予中に逮捕されてしまったという場合には、すぐにフリーダイヤル0120-631-881にお電話ください。
執行猶予中の逮捕
執行猶予という言葉は、みなさん耳にしたことはあるのではないでしょうか。
刑の全部の執行猶予については、刑法第25条に規定されています。
刑の全部の執行猶予は
「前に禁錮以上の刑に処せられたことのない者」若しくは、「前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又は免除を得た日から5年以内に禁固以上の刑に処せられたことがない者」が「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」の言渡しを受けたとき、「情状により裁判確定の日から1年以上5年以下の期間、」その刑の執行を免除される
というものです。
刑の全部の執行猶予が取り消される場合
執行猶予中に犯罪行為をしてしまい、執行猶予が取り消されてしまう場合とは、具体的に
1.猶予の期間内にさらに罪を犯して禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないとき(刑法第26条第1号)
2.猶予の期間内にさらに罪を犯し、罰金に処せられたとき。(刑法第26条の2第1号)
上記の場合になります。
1については、必要的取消しであるとされており、必ず執行猶予が取り消されてしまいます。
2は裁量的取消しであるとされており、裁判官の判断で取り消されてしまう可能性があるというものです。
つまり、執行猶予中に犯罪行為をして逮捕されてしまった場合でも必ず執行猶予が取り消されて刑務所に行かなければならないというわけではないのです。
執行猶予が取り消されないための活動として、被害者の方と示談を締結するなどして不起訴処分を目指していく方法や、起訴されてしまうという場合でも、検察官に意見書を提出するなどの活動によって懲役刑ではなく、罰金刑を求めていく方法があります。
では、実際の事例で確認してみましょう。
例) 男性 会社員
2年前に傷害罪で「懲役1年執行猶予3年」の判決を受けて現在執行猶予中
上記のようなAという男性が、窃盗罪で逮捕されてしまった場合について検討してみましょう。
※窃盗罪「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」
Aの執行猶予が取り消されない場合として
1.窃盗罪の被害者と示談が成立し、不起訴となった場合
2.罰金刑となった場合(裁判官の裁量による)
3.無罪判決を受けた場合
上記が考えられます。
また、刑事裁判となり懲役刑となってしまう場合でも、再度の執行猶予というものもあります。
再度の執行猶予
執行猶予中に犯罪行為をしてしまい、刑事裁判で懲役刑となった場合でも再度、執行猶予判決を受ける可能性が残されています。
執行猶予中の犯罪でもう一度執行猶予判決を受けることを再度の執行猶予といいます。
刑法第25条第2項には
「前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者」が、
「1年以下の懲役又は禁錮の言渡し」を受け、「情状に特に酌量すべきものがあるとき」
は刑の全部の執行を猶予することができる
と規定しています。
(ただし、保護観察付執行猶予であった者は除く)
再度の執行猶予を獲得できれば、執行猶予が取り消される場合の「猶予の期間内にさらに罪を犯して禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないとき」ではなくなるのです。
先ほど紹介した事例のAも「1年以下の懲役の言渡し」であれば再度の執行猶予の可能性があるのです。
ただ、この再度の執行猶予獲得を目指していくには、情状面で有効なアピールをしていくなど適切な弁護活動が必要となりますので、刑事事件に強い弁護士の見解を聞くようにしましょう。
執行猶予の獲得に強い弁護士
執行猶予中に逮捕されてしまったという場合、もちろん刑務所に行くことになってしまう可能性は高くなってしまいます。
しかし、執行猶予が取り消されないという可能性もありますので、こういった見通しを把握するためにも刑事事件に強い弁護士の見解を聞くようにしましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部では、刑事事件に強い弁護士を逮捕されている方の下へ派遣する初回接見サービスを行っています。
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