触法事件にも対応する弁護士
- 2020年5月19日
- コラム
触法事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
~ケース~
千葉県成田市に住むAくん(13歳)は、市内の路上で小学生の女児に対してお尻を触るなどしたとして、千葉県成田警察署に話を聞かれました。
警察から、再度連絡すると言われたAくんとAくんの両親は、今後どのような流れになるのか心配になり、少年事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
触法少年とは
「触法少年」とは、14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年のことをいいます。
刑法41条は、14歳未満の者の行為は罰しないと規定しています。
つまり、14歳未満の者が刑罰法令に触れる行為を行ったとしても、犯罪とは成らず、捜査機関による捜査や逮捕も認められず、刑罰を科されることもありません。
触法事件の流れ
さて、14歳未満の少年が刑罰法令に触れる行為をした場合、その後の手続はどのようなものなのでしょうか。
Aくんの場合のように、まずは警察に事件が発覚することから始まるケースがほとんどです。
被害者が警察に相談したことで警察が捜査を開始し、犯人と思われる人物を特定します。
また、被害者が学校に相談することで、警察よりも先に学校に事件が発覚するケースも少なくありません。
警察に事件が発覚し、犯人と思われる人物が触法少年であると判断した場合、警察は、触法調査を行います。
警察官は、客観的な事情から合理的に判断して、触法少年であると疑うに足りる相当な理由がある者を発見した場合、必要があるときは、事件について調査することができます。
この警察官による調査は、「触法調査」と呼ばれます。
要するに、警察官は、触法少年を呼び出して、質問をすることができるのです。
加えて、公務所または公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができます。
さらに、強制処分としての押収、捜索、検証、鑑定委託も行うことができます。
警察は、いったん児童相談所に通告して、一時保護を行う場合もあります。
触法少年を逮捕・勾留することはできませんが、重大な触法事件などの場合、警察による事件の発見に伴い、直ちに児童相談所に通告し、児童相談所長が一時保護をとることにより、少年の身柄を事実上拘束して、警察の触法調査が行われることがあります。
警察官は、触法調査の結果、当該少年が「要保護児童」と認められる場合、少年を児童相談所に通告します。
また、死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役・禁固に当たる罪にかかる刑罰法令に触れる場合、家庭裁判所の審判に付するのが相当と思料するときには、警察官は事件を児童相談所長に送致しなければなりません。
児童相談所は、警察から通告あるいは送致を受けた事件について、福祉的観点からの調査を行います。
担当の児童福祉司や児童心理司が、少年の育成歴、性格、家庭環境、学校・地域での状況、心理・精神面からの判定・診断を行います。
児童相談所長は、調査を踏まえて、少年に対する措置を決めます。
福祉的措置を相当と判断すると、児童・保護者への訓戒、誓約書の提出、児童福祉司等の指導、児童福祉施設入所措置、里親委託といった福祉的措置をとります。
一方、家庭裁判所に審判に付するのを相当と認めた場合には、事件を家庭裁判所に送致します。
児童相談所長から家庭裁判所に送致された場合、その後の手続は犯罪少年の場合とほぼ同じです。
審判期日までに家庭裁判所調査官による調査が行われ、審判を経て最終的な処分が決定します。
また、家庭裁判所は、観護措置の必要があると判断すると、観護措置がとられ、少年は少年鑑別所に収容されます。
触法事件における付添人
触法事件では、警察官による触法調査の段階で、少年や保護者は、弁護士付添人を選任することができます。
幼い触法少年は、誘導されやすく、言葉の理解力、表現力に乏しく、自己に不利な申述書や上申書が作成されてしまうおそれがあります。
そのようなことがないよう、弁護士付添人から事前に調査対応に関するアドバイスを受けることが望ましいでしょう。
児童相談所や家庭裁判所での対応も、弁護士付添人からの適切なアドバイスや支援が有益となるでしょう。
触法事件を含む少年事件には、少年事件に精通する弁護士に相談・依頼することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
触法事件で対応にお困りの方は、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
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