14歳未満の子どもが事件を起こしても処罰されない?〜触法少年の刑事責任能力と事件の流れ〜
- 2023年11月26日
- その他の刑法犯事件
刑法で14歳未満の少年は処罰されないと規定されていることを皆さんはご存知でしょうか?
ただ、14歳未満であれば事件を起こしていいという訳ではなく、特別な手続きが行われることになります。
今回は、14歳未満の少年における刑事責任能力の有無や事件の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
【触法少年とは】
触法少年とは、14歳未満の少年が犯罪行為を行った場合を指します。
日本の刑法では、14歳未満の者には刑事責任能力がないとされており、触法少年は通常、刑事罰の対象とはなりません。
・刑法第41条(責任年齢)
14歳に満たない者の行為は、罰しない。
しかし、これは触法少年が法的な対応を全く受けないという意味ではありません。
触法少年が犯罪に該当する行為をした場合、少年法や児童福祉法に基づく特別な手続きが取られます。
これらの法律は、少年の更生と社会復帰を目指し、犯罪行為の背景や少年の環境を考慮した対応を提供します。
触法少年が事件を起こした際の特別な手続きとして、児童相談所への送致・通告や児童相談所による一時保護が挙げられます。
【児童相談所への送致・通告】
触法少年が事件を起こし、調査の結果で以下の条件に該当した場合、少年法第6条の6第1項に基づいて警察官は児童相談所長に事件を送致しないといけません。
・故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪
・死刑又は無期若しくは短期2年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪
・家庭裁判所の審判に付することが適当であると思慮するとき
また、児童福祉法第25条第1項により、要保護児童を発見した者は児童相談所に通告する義務があります。
要保護児童については、同法第6条の2第8項で「保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童」と定義され、触法少年も要保護児童に該当するケースがあります。
児童相談所への送致・通告がされた後は、必要に応じて、児童自立支援施設への入所や家庭裁判所に送致して少年審判を行うといった処遇が決定されます。
触法少年の取り扱いは、成人犯罪とは異なるアプローチを必要とし、少年の年齢、心身の発達状況、環境などを総合的に考慮した対応が求められます。
このように、触法少年に関する法的枠組みは、少年の保護と更生を最優先に考えたものとなっています。
【児童相談所による一時保護】
児童福祉法第33条第1項に基づき、触法少年が犯罪行為に関与した場合、必要に応じて、児童相談所長は一時保護を行うことができます。
一時保護は、少年の安全を確保し、適切な保護を図るため、または少年の心身の状況や環境を把握するために行われます。
一時保護の目的は、触法少年の状況を理解し、必要な支援を提供することにあります。
一時保護は原則として保護者や少年自身の同意が必要ですが、少年の福祉を害する恐れがある場合には、同意なしで一時保護を行うことも可能です。
児童相談所による一時保護は、少年が犯した行為の背景を理解し、再犯防止と更生を支援するための第一歩となります。
一時保護は、少年の将来に対する負の影響を最小限に抑え、社会復帰を促進するための重要な手段です。
【お子様が事件を起こしたら弁護士へ】
今回は、14歳未満の触法少年が事件を起こした場合の流れについて解説しました。
14歳未満であれば処罰されないという規定がされているものの、何も手続きが行われないという訳ではありません。
触法少年事件は、通常の少年事件(14歳以上20歳未満の少年が起こした事件)と異なる特別な手続きがとられます。
触法少年に該当するお子様が事件を起こしてしまったという場合は、触法少年事件を担当した経験がある専門の弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、触法少年事件はもちろん、様々な少年事件の弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
千葉県内で、お子様が事件を起こしてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご相談ください。
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