【少年事件】私選付添人と国選付添人の違い
- 2020年10月10日
- コラム
私選付添人と国選付添人の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
振込め詐欺で逮捕された少年
千葉市に住むAさん(16歳少年)は、振込詐欺グループの一員として、振込詐欺の被害者から金品を受け取る「受け子」という形で、振込詐欺犯罪に関わったとして、千葉県警本部に逮捕されました。
Aさん逮捕の知らせを警察から聞かされたAさんの両親は、まずは少年事件に強い弁護士をAさんとの面会に向かわせて、弁護士からAさんへの今後の警察取調べ対応のアドバイスを依頼することにしました。
その後に、Aさんの身柄は少年鑑別所に移されて、Aさんは家庭裁判所の少年審判を受けることになったのですが、Aさんの両親は、少年事件に強い私選付添人を探しています。
(フィクションです。)
少年事件の流れ
20歳未満の少年少女が刑事犯罪を起こして逮捕された場合には、一般的なケースによると、まずは警察署で身柄拘束(逮捕・勾留)され、厳しい取調べを受けます。
警察署での勾留期間が満了した後には、少年の身柄は少年鑑別所に移されて、家庭裁判所の調査官による少年の調査が行われます。
この調査の後に、少年自身の更生のためには、どのような保護処分がなされるべきかが、家庭裁判所の少年審判で判断されることになります。
少年事件における弁護士~付添人~
家庭裁判所に送致されてから、弁護士は「少年の付添人」に選任されることにより、「家庭裁判所の調査」において、どのように対応するべきかを弁護士が少年にアドバイスする形や、調査官への弁護士意見を述べる形で、少年審判までの少年事件の流れに関与することができます。
少年やその家族が自分で選ぶ弁護士を「私選付添人」といいます。
他方で、少年のために、国が選ぶ弁護士を「国選付添人」といいます。
国選付添人
「国選付添人」は費用がかかりませんが、国が弁護士リストからランダムに選ぶ弁護士であるため、必ずしも少年事件に詳しい弁護士に担当してもらえるとは限りません。
また、「国選付添人」を付けるためには条件があり、事件の刑事処罰が「死刑又は無期若しくは長期三年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪のもの」であり、かつ「検察官関与決定」がされたもの、あるいは「観護措置がとられており、家庭裁判所が付添人の必要性を認めるとき」に限り、国選付添人を付けることができるとされています。
少年法 22条の3第2項(国選付添人)
家庭裁判所は、第三条第一項第一号に掲げる少年に係る事件であつて前条第一項に規定する罪のもの又は第三条第一項第二号に掲げる少年に係る事件であつて前条第一項に規定する罪に係る刑罰法令に触れるものについて、第十七条第一項第二号の措置がとられており、かつ、少年に弁護士である付添人がない場合において、事案の内容、保護者の有無その他の事情を考慮し、審判の手続に弁護士である付添人が関与する必要があると認めるときは、弁護士である付添人を付することができる。
私選付添人
他方で、「私選付添人」は弁護士費用がかかるものの、どのような少年事件においても条件無く付けることができて、少年事件に詳しい弁護士を、少年本人との相性も考えつつ、自分で選ぶことができます。
振込詐欺少年事件においては、まずは警察取調べの初期段階で、少年がどのように事件に関与したか、振込詐欺の犯行グループの中で少年がどの程度の役割を担っていたのか、といった事情につき、弁護士のアドバイスを受けることにより、厳しい警察取調べの中で、少年本人がどう供述していくかが重要となります。
そして、その後の家庭裁判所の調査では、少年の普段の素行や、家族との関わり方、学校との関わり方などが調査されるため、少年の今後のより良い周囲環境作りを弁護士とともに検討していくことが重要となります。
少年事件に強い弁護士
事件早期の段階から、弁護士を「私選付添人」として選任することで、家庭裁判所の少年審判までの流れにおいて、一貫した少年弁護活動や、少年の更正のための環境作りのために、弁護士が深く関与することができます。
千葉市の振込詐欺少年事件でお困りの方は、刑事事件・少年事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の少年事件に強い弁護士にご相談ください。