酔払った女性に性的暴行 準強制わいせつ罪で逮捕
- 2020年11月5日
- コラム
酔払った女性に性的暴行をして、準強制わいせつ罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
準強制わいせつ罪で逮捕
会社員のAさんは、仕事終わりに会社の同僚と共に、習志野市内の居酒屋でお酒を呑んでいました。
その時に、たまたま居合わせた隣の席で呑んでいた二十歳ぐらいの女性と仲良くなったAさん等は、居酒屋を出た後に、一緒にカラオケに行きました。
カラオケの途中で同僚が先に帰宅して女性と二人きりになったAさんは、女性も自分に気があるものだと思い込んでいました。
それからしばらくすると、女性が酔い潰れて寝込んでしまったので、Aさんは酔払っている女性に抱き付き、服の中に手を入れて胸やでん部をまさぐってキスしたのです。
途中で女性が気付いた女性に抵抗されたことから、それ以上の行為には及びませんでしたが、後日、Aさんは準強制わいせつ罪で千葉県習志野警察署に逮捕されてしまいました。、
(フィクションです。)
準強制わいせつ罪ってどんな罪
まず強制わいせつ罪について解説すると、強制わいせつ罪とは、簡単にいうと被害者の意に反してわいせつな行為をすることによって成立する犯罪です。
この「強制わいせつ罪」に「準」が付いた準強制わいせつ罪とは、人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為に及ぶ犯罪です。(刑法第178条第1項)
準強制わいせつ罪は、強制わいせつ罪の補充的な規定ですが、わいせつ行為に及ぶための手段として、暴行や脅迫を用いる必要はありません。
心神喪失と抗拒不能
心神喪失とは
精神上の障害によって正常な判断を失っている状態を意味します。
具体的には、催眠状態、泥酔、精神耗弱、麻酔の状態等がこれに当たります。
抗拒不能とは
心理的、物理的に犯行不能な状態にあることを意味します。
抗拒不能に陥った原因はその理由を問わないので、驚愕や錯誤によって抗拒不能に陥った場合も該当します。
また性的無知や信頼を利用してわいせつ行為に及んだ場合も、抗拒不能に乗じたものとして準強制わいせつ罪が成立し得ます。
準強制わいせつ罪に性別は関係ない
わいせつ行為と聞けば、男性が女性に対して行う犯罪と思われがちですが、準強制わいせつ罪の主体に性別の制限はありません。
同様に、準強制わいせつ罪の客体にも性別の制限がないので、同性に対するわいせつ行為や、女性から男性に対してのわいせつ行為も、準強制わいせつ罪が成立します。
準強制わいせつ罪が成立するためには(故意)
準強制わいせつ罪は故意犯ですので、被害者を積極的に心神喪失又は抗拒不能に陥らせてわいせつ行為に及んだ場合は、故意の立証に関する問題点はありません。
しかし、心神喪失若しくは抗拒不能の状態にある被害者に対してわいせつな行為に及ぶ場合は、少なくとも被害者がその様な状態にあることを認識する必要があるでしょう。
今回の事件の被害女性は、被害にあった際、お酒に酔い潰れて寝てしまっています。
この状態は、女性が心神喪失状態に陥っていると考えられますので、準強制わいせつ罪が成立する可能性は非常に高いでしょう。
準強制わいせつ罪の量刑
準強制わいせつ罪は、強制わいせつ罪と同じく「6月以上10年以下の懲役」が法定刑として定められています。
準強制わいせつ罪は、性犯罪の中でも比較的罰則の厳しい犯罪の一つですので、事件を起こしてしまった場合は、逮捕される可能性が非常に高いです。
また起訴されるか否かは、起訴されるまでに被害者と示談できるかどうかによります。
起訴されるまでに被害者と示談することができれば不起訴の可能性もあるので、起訴を免れたい方は、弁護士に依頼して被害者と示談することをお勧めします。
準強制わいせつ事件に強い弁護士
千葉県習志野市の刑事事件でお困りの方、ご家族、ご友人が、準強制わいせつ罪で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部にご相談ください。