友人との金銭トラブル 詐欺罪になるのですか?
- 2020年11月3日
- コラム
半年前に友人から借金したAさんと、その友人の金銭トラブルが、詐欺罪になるのかどうかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
友人との金銭トラブル
Aさんは、自分のお店を開業するために、今年の春にそれまで勤めていた会社を退職しました。
それからAさんは市原市内に居酒屋を開業するために、お店の物件を探していましたが、開業資金が足りず、物件を借りるための資金として、友人から300万円を借金したのです。
しかしその後、飲食業界の情勢が悪化したため、Aさんは開業を諦め、友人から借りたお金を全額、FXにつぎ込んで使い果たしてしまいました。
友人とは、お店の営業が軌道にのるであろう半年後から毎月10万円ずつ返済をする約束をしていましたが、現在、お店の開業資金として貯めていたお金も全て使い果たしてしまったAさんは、返済の期限がきても友人にお金を一円も返していません。
当然、友人からは返済を迫る電話が何本もかかってきていますが、返済能力のないAさんは友人からの電話を無視し続けています。
そんな中、Aさんの自宅に友人の代理人弁護士から『借金を返済しなければ詐欺罪で刑事告訴する』旨の通知が届きました。
Aさんは、この出来事を刑事事件に強い弁護士に相談したようです。
(実話を基にしたフィクションです。)
詐欺罪になるのですか?
詐欺罪とは、人から金品を騙し取ることです。
詐欺罪は
①相手を騙して金品を要求する
②騙された相手が金品を交付する
③金品を受け取る
ことによって成立する犯罪で、金品を騙し取った時点で詐欺罪は成立しています。
今回の事件の場合、Aさんが友人に借金を申し込んだ際に、何か友人に嘘をついていたりすれば詐欺罪が成立する可能性がありますが、借金をした時のAさんの発言に、嘘偽りがなければ、詐欺罪が成立しない可能性があります。
友人からお金を借りた後に、事情が変わって返済ができなくなったとしても、それだけを理由に詐欺罪となるわけではありません。
刑事告訴とは?
簡単に言うと、刑事告訴とは警察等の捜査機関に対して「こういった事件の被害にあったから、犯人を捕まえて処分してください。」と申告して、警察等の捜査機関に犯罪捜査を求める手続きです。
警察等の捜査機関は、刑事告訴を「捜査の端緒」と表現しますが、そういった意味では、警察に提出する被害届と何ら変わりません。
刑事告訴されると逮捕されるの?
『刑事告訴=逮捕』ではありません。
上記したように刑事告訴は、警察等の捜査機関が犯罪捜査を開始するきっかけにすぎませんので、被害者等が刑事告訴したことによって、警察は捜査を開始します。
まず警察等の捜査当局は、そういった事実が実際に起こったのか、そしてその事実が犯罪に該当するのかを調べ、犯罪に該当する場合は、証拠を集めたり、犯人を割り出すといった本格的な捜査に移行し、最終的に犯人を逮捕する必要があるのかを判断して逮捕に踏み切るのです。
刑事告訴されるまでは、警察等の捜査機関が事実を把握していないので逮捕されることはありませんが、刑事告訴されると、その時点で警察に逮捕される可能性が生じることになるので、一番良いのは、刑事告訴されないように対処することでしょう。
刑事告訴される可能性のある金銭トラブルは早めに弁護士に相談
友人と金銭トラブルとなった方は、刑事告訴されて、警察等の捜査機関が捜査を開始するより前に弁護士に相談するようにしてください。
刑事告訴されてしまえば、逮捕されるリスクも生じますし、逮捕を免れることができても、警察に呼び出されて取調べを受けたりして、精神的なストレスを感じてしまいます。
刑事告訴されそうになった方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部にご相談ください。