在宅捜査と私選弁護人
- 2021年4月22日
- コラム
在宅事件の流れや、在宅事件における弁護士の活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
在宅事件
刑事事件は大きく分けると、在宅事件と身柄事件に分けることができます。
身柄事件とは、犯罪を疑われている被疑者、被告人が捜査機関による拘束(逮捕、勾留)を受けている事件です。
対して、在宅事件とは、犯罪を疑われている被疑者、被告人が捜査機関による拘束(逮捕、勾留)を受けていない事件です。
刑事事件というと、身柄事件をイメージされる方も多いでしょう。
確かに、身柄事件の方が社会的耳目を集めやすくマスコミなどによく取り上げられることから、こうしたイメージを抱かれることも致し方ないことかもしれません。
しかし、刑事事件の多くは在宅事件です。
つまり、捜査機関が人を拘束するのはあくまでも例外的措置ですから、身柄事件の数自体は刑事事件の全体の割合からすると少ないのです。
しかし、身柄事件の場合も在宅事件の場合も捜査機関による取調べなどの捜査を受けた後、何らかの刑事処分(起訴、不起訴)を受け、起訴された場合は刑事裁判を受けなければならないという点では全く異なるところはありません。
検挙(逮捕など)→捜査(取調べなど)→刑事処分(起訴、不起訴)→刑事裁判
ただ、身柄事件の場合、身柄拘束があくまで例外的措置であることから法律上時間的制約が設けられています。
つまり、逮捕から刑事処分までは最大で23日しか身柄を拘束することができないとされており、その間、検察が刑事処分を決することができない場合は被疑者を釈放しなければなりません。
対して、在宅事件の場合、こうした時間的制約はありません。
したがって、在宅事件は身柄事件の「後回し」にされることがよくあり、検挙から刑事処分まで数か月、数年を要した、という例も珍しくはありません。
在宅事件と弁護士
ところで、何らかの刑事事件で捜査を受ける場合、弁護士による刑事弁護を受けたいとお考えになる方もおられると思います。
しかし、在宅事件の場合、起訴前は国から弁護士(つまり、国選弁護士)を選任されることはありません。
つまり、
起訴前、在宅事件で弁護士が必要
という場合は、私選弁護士に刑事弁護を依頼する必要があります。
そして、特に、被害者との示談が必要という場合に、私選弁護士を選任する必要性は高いでしょう。
なぜなら、通常、被害者は当事者である加害者と示談交渉することはないからです。
しかし、そのまま示談交渉せずにいると、手続きが進んでしまい、起訴され、刑事場合を受け、結果として何らかの刑罰を受けなけばならなくなるかもしれません。
そうした事態を回避したい場合は、起訴前から私選の弁護士を選任する必要があるでしょう。
私選弁護士を選任するデメリット
私選弁護士を選任する最大のデメリットはもちろん、国選弁護士の場合と異なり弁護士費用を負担しなけばならないことでしょう。
弊所でもそうですが、通常、どの法律事務所でも契約時に弁護士費用の一部である「着手金」を支払う必要があります。
着手金は20万円~が相場でしょう。
この着手金は事件の結果にかかわらず支払わなければならないものです。
つまり、被疑者と示談交渉ができなかった、交渉はできたが示談を成立させることができなかった、などという場合でも支払う必要があります。
そこで、こうした場合、「はじめから私選の弁護士を雇う必要はなかったのではないか」と後で後悔されるかもしれません。
まずは相談
しかし、在宅事件で私選弁護士を選任するメリットはこの上記のほかにもさまざまあります。
まずはお気軽にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。
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