女性に対する性犯罪 女性に怪我を負わせてしまったら
- 2021年5月6日
- コラム
女性に対する性犯罪で、被害者の女性に怪我を負わせてしまった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
女性に対する性犯罪
Aさんは酒に酔って帰宅途中に、千葉県いすみ市の路上でランニングをしていた若い女性を見てムラムラしてしまい、襲ってしまいました。
女性に抱き付いて、女性を物陰に連れ込んで性的暴行を加えようとしたのですが、その途中で通行人に見られたことからAさんは、走って逃走しました。
後日、新聞を見たAさんは、被害女性が怪我をしており、千葉県いすみ警察署が、強制性交等致傷罪で捜査していることを知りました。
(フィクションです。)
強制性交等致傷罪
強制性交等罪とは、暴行や脅迫によって被害者を畏怖させて無理矢理に性交渉に及ぶ犯罪で、かつては「強姦罪」と呼ばれていました。
強制性交等罪は、性犯罪の中では最も重いとされる犯罪ですが、この犯罪の過程で被害者に怪我をさせると強制性交等致傷罪となり、厳罰化されます。
また強制性交等致傷罪は、被害者が怪我をした時点で既遂に達し、性交渉が未遂に終わっていても、強制性交等致傷罪は既遂となり、未遂罪に規定されている「任意的減軽」の対象とはなりません。
更に、強制性交等致傷罪は、一般的な刑事裁判ではなく、裁判員裁判の対象事件となるため、起訴された場合は、裁判官だけでなく一般から選出された裁判員によって裁かれることになる非常に重い犯罪です。
強制性交等致傷罪で警察に逮捕されると
強制性交等致傷罪で警察に逮捕されると、逮捕から48時間以内は、警察署の留置場に収容されて警察官による取調べを受けます。
そしてその後、逮捕から48時間以内に検察庁に送致されて、送致から24時間以内に裁判所に勾留を請求されることがほとんどです。
もちろん、ここまでの手続き中に釈放されることもありますが、強制性交等致傷罪の場合、重い刑事罰が規定されているが故に逃走のおそれを疑われるので弁護人の活動なくして早期釈放の可能性は非常に低いといえます。
裁判官が勾留を決定すれば10日~20日間は警察署の留置場に勾留されて引き続き警察官や検察官の取調べを受けることになります。
そして勾留満期と共に、起訴されるか不起訴になるかが決定するのですが、不起訴となれば釈放されます。
逆に起訴された場合は、起訴後の勾留によって身体拘束が継続し、起訴後の勾留は裁判官が保釈を許可しない限りは釈放されません。
強制性交等致傷罪の弁護活動
強制性交等致傷罪は「無期又は6年以上の懲役」と非常に厳しい法定刑が定められています。
初犯であっても刑事裁判で有罪が確定すれば長期服役の可能性が非常に高い罪ですので、犯行を認めている場合、まずは不起訴を目指す弁護活動となります。
勾留の期間中に被害者と交渉し、宥恕のある示談を締結することができれば、不起訴処分となって公判を免れれる可能性もあります。
また自首等による減軽事由が認められた場合は、執行猶予判決を得る可能性もありますので、強制性交等致傷罪で警察に逮捕されてしまった方も諦めずに刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。
性犯罪の刑事弁護に精通した弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、刑事事件を専門にしている法律事務所で、これまで数多くの性犯罪の刑事弁護活動を行ってきた実績がございます。
強制性交等致傷罪などの性犯罪でお困りの方、ご家族が性犯罪事件で警察に逮捕されてしまった方は、お気軽にお問い合わせください。
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