名誉棄損罪・侮辱
刑事事件に特化した弁護士に依頼することにより,示談交渉や早期の身柄解放などの点で充実した弁護活動を期待することができます。
第1 名誉棄損・侮辱
「警察から息子を名誉棄損罪で逮捕したという連絡があった」
「夫が侮辱罪により逮捕されたので被害者の方と示談したいが連絡先がわからない」
現在このような悩みや不安を抱えているかたがいらっしゃるのではないでしょうか。
早期の身柄解放を行うためには早急に弁護士に依頼することが必要になります。
また,被害者との示談にあたって,本人または本人の家族が捜査機関を通じて被害者の連絡先を直接聞くことは基本的にはできません。 弁護士であれば捜査機関を通じて被害者の連絡先を聞くことができます。
逮捕されたけど,このままずっと外に出ることはできないの?
少しでも刑を軽くしたい場合どうすればいいの?
今回は名誉棄損罪・侮辱罪について,名誉棄損罪・侮辱罪を起こしてしまった場合の対応や活動について説明していきます。
第2 名誉棄損罪
1 名誉棄損罪とは
名誉棄損罪は,その事実の有無にかかわらず,公然と事実を摘示し,人の名誉を毀損した場合に成立する犯罪です。
2 罰則
名誉棄損罪が成立した場合,3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処されることになります。
3 条文の定義
- 「名誉」とは,外部的名誉,つまり「人」についての事実上の積極的な社会的評価を指します。ここでの「人」には自然人のほか法人などの団体も含まれます。
- 「公然と」とは,適示された事実を不特定又は多数人が認識し得る状態のことをいいます。 「不特定」とは相手方が限定されていないという意味であり,公開の場所での演説や雑誌における記事記載のような場合を表します。 また,「多数人」とは,社会一般に知れ渡る程度の人数という意味で,相当の多数であることを必要とします。ただ裁判例では,「適時の直接の相手方が特定かつ少数の人であっても,その者らを通じて不特定または多数人へと広がっていくときには公然性が認められる」と考えられています。
- 「事実を摘示」については,摘示される事実がそれ自体として人の社会的評価を低下させるような事実であることが必要になります。プライバシーにかかわる事実も含まれると考えられています。
- 「その事実の有無にかかわらず」とされていることから,摘示された事実が嘘であろうと本当であろうと本罪の成立には関係がないことを示しています。
4 不可罰になる例外
名誉棄損罪は,その事実が真実であったとしても成立する犯罪です。しかし,憲法 で保障されている表現の自由を保障するために,以下の一定の要件を満たした場合には,罰せられることはありません(刑法230条の2)。
(1)公共の利害に関する事実で,
(2)その目的がもっぱら公益を図ることにあったと認められる場合で,
(3)摘示した事実が真実であることの証明があったとき
「公共の利害に関する事実」に関しては,公共の利害と一般大衆の好奇心は違うので,個人のプライバシーに関する私生活のことに関しては公共性が認められません。
しかし,当該人物の社会的立場を考慮して,社会的活動に対する評価の資料として公共性が認められた裁判例を存在します。
また,「真実であることの証明」がない場合にも,裁判例によれば,「行為者がその真実を真実であると誤信し,その誤信したことについて,確実な資料,根拠に照らし相当の理由があるときは,犯罪の故意がなく,名誉棄損罪は成立しない」とされています。
第3 侮辱罪
1 侮辱罪とは
侮辱罪は,事実を摘示しなくとも,公然と人を侮辱した場合に成立する犯罪のことをいいます。
2 罰則
侮辱罪が成立した場合,一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処されることになります。「拘留」とは,1日以上30日未満の刑務所での拘置のことをいいます。「科料」とは1000円以上1万円未満の支払いを命じられる刑罰のことをいいます。
3 条文の定義
「人」には名誉棄損罪と同様に自然人だけではなく,法人も含まれる。
「侮辱」とは人に対する侮辱的価値判断を表示することをいいます。
第4 名誉棄損罪・侮辱罪における処分の判断視点
1 事件の経緯・行為態様
今回の事件がどういう経緯で生じてしまったのか,どのような内容のものだったのかという点です。悪質であればあるほど,重い処分が下される可能性が高くなります。
2 被害結果
今回の事件によりいかなる結果が生じたかという点です。結果が重大であればあるほど,重い処分が下される可能性が高くなります。
3 被害者との示談状況
被害者との間で示談が成立している場合,有利な処分になる可能性が高くなります。
4 更生への環境調整
今後の再犯防止のために家族や周囲の人間が協力してくれることを約束してくれている状況であれば,有利な処分になる可能性が高くなります。
第5 身柄拘束されてしまった場合
もし,名誉棄損罪・侮辱罪の嫌疑をかけられた場合,突然逮捕,勾留されることにより身柄を拘束される場合があります。身柄拘束が長期化した場合,その間学校や仕事には当然行くことが出来なくなるので,日常生活に多大な影響を及ぼしかねません。
日常生活を取り戻すためにも少しでも早く身柄を解放される必要がありますので,そのためには弁護士による保釈等の不服申し立てを行うことが有用です。起訴される前の準抗告という不服申し立てには費用は掛かりませんが,起訴後の保釈請求という不服申し立てをした場合には,保釈保証金という費用が必要になります。このことから,出来るだけ早く弁護士が対応していくことが重要になります。刑事事件専門弁護士であれば,より豊富な経験と知識をもとに早期の身柄解放活動を行うことができます。
第6 名誉棄損罪・侮辱罪を起こしてしまったら
・すぐに弁護士に連絡する
少しでも早く弁護士に相談することが重要です。 逮捕されている場合には,すぐに接見に行き,事情を聞いたうえで取り調べにどのように対応すべきかを具体的にアドバイスします。そして,早期の身柄解放のための活動にすぐに取り掛かります。
・告訴の取り下げをしてもらう
名誉棄損罪,侮辱罪はどちらも親告罪です。親告罪の場合,検察官が起訴するためは,被害者の告訴が必要になります。
そこで,早期に被害者と告訴取り下げを条件に示談をしてもらえるよう交渉していくことが必要になります。もっとも,当事者同士で示談交渉をしてしまうとどうしても感情的になってしまうので,示談がまとまらない可能性が高いです。そこで,弁護士が代わりに被害者と示談交渉をすることで被害者も冷静になり,適切な内容の示談を行うことができる可能性が高くなります。
第7 否認する場合
自分は名誉棄損罪・侮辱罪にあたる行為はやっていないとして犯罪成立を争う場合,まず捜査機関からの取調べにおいて不利益な書面を作成されないようにすることが必要になります。そのためには,取り調べにおいてどのような対応をすべきなのか,取り調べを受けるにあたりどのような権利があるのかを事前に弁護士から聞いておくことで,不利益な書面が作成されることを防ぐことが出来ます。また弁護士が直接本人から事件のことに関する供述を正確に聞き取り,書面としてまとめることで証拠化することも可能です。そして本人の言い分をもとにその言い分を裏付ける証拠を収集することで,否認主張のサポートをすることができます。
第8 前科を避けるためには
「名誉棄損罪・侮辱罪で前科を避けたい」なら,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
刑事事件を専門に取り扱う弁護士が,直接「無料相談」を行います。
万が一,被疑者が逮捕された事件の場合,最短当日に,弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」もご提供しています。
名誉棄損罪・侮辱罪を数多く解決してきた実績をもとに,あなたやあなたのご家族に前科を避けられよう全力でサポートします。
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