文書偽造・偽造文書行使
刑事事件に特化した弁護士に依頼することにより,早期の身柄解放や有利な処分の獲得の可能性が高くなります。
第1 文書偽造・偽造文書行使
「息子が文書偽造の罪で逮捕されたとの連絡が警察からあった」
「現在文書偽造の罪で捜査を受けているが,今後どうなるのだろうか」
現在このような不安や悩みを抱えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
早期の身柄解放や有利な処分の獲得のためには弁護士に依頼することが重要になります。
逮捕されてしまったけどこのままずっと外に出ることはできないの?
少しでも刑を軽くしたい場合,どうすればいいの?
今回は文書偽造・偽造文書行使という犯罪自体のこと,必要な弁護活動等について説明していきます。
第2 文書偽造・偽造文書行使の罪
1 公文書偽造等罪
(1)条文
公文書偽造等罪は刑法155条により以下のように定められています。
第百五十五条
行使の目的で,公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し,又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は,一年以上十年以下の懲役に処する。
2 公務所又は公務員が押印し又は署名した文書又は図画を変造した者も,前項と同様とする。
3 前二項に規定するもののほか,公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し,又は公務所若しくは公務員が作成した文書若しくは図画を変造した者は,三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
(2)定義説明
「行使の目的で」と言えるためには,当該文書を表示して,他人に誤信させることが必要になります。このことかた,相手方が当該文書が偽造等されたものであることを知らない人物である必要があります。
「公文書」とは公務所や公民が職務上作成すべき文書及び図画のことを指します。
「偽造」とは,実務上では名義人と作成者の人格の同一性を偽ることと定義されることが多いです。つまり,AがB名義の文書を作成した場合,名義人はBですが作成者はAであるので,名義人と作成者の同一性を偽っていると判断できるので,当該行為は「偽造」であるといえるのです。
「変造」とは,すでに存在している真正な文書のうち,その非本質的部分に変更を加えることをいいます。借用書の金額部分を変更した場合は「変造」にあたります。
「有印文書」とは,文書の名義人の印象か署名のある文書のことをいいます。
「無印文書」とは,文書の名義人の印書も署名もない文書のことをいいます。
2 偽造公文書行使等罪
虚偽公文書行使等罪とは,刑法158条で定められており,偽造公文書を行使等した場合に成立する犯罪です。
有印公文書行使等罪が成立した場合は1年以上10年以下の懲役に処されます。無印公文書行使等罪が成立した場合は3年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処されることになります。
3 私文書偽造等罪について
(1)条文
私文書偽造等罪は刑法159条により以下のように定められています。
第百五十九条
行使の目的で,他人の印章若しくは署名を使用して権利,義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し,又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利,義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は,三月以上五年以下の懲役に処する。
2 他人が押印し又は署名した権利,義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者も,前項と同様とする。
3 前二項に規定するもののほか,権利,義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し,又は変造した者は,一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
(2)定義説明
「私文書」とは,公文書以外のすべての文書のことを指します。
「権利,義務に関する文書」とは,例えば,借用証書や催告書のことをいいます。
「事実証明に関する文書」とは,裁判例によれば実社会生活に交渉を有する事項を証明する文書のことを指し,郵便局の転居届や私立大学の入学答案,履歴書などがその例として挙げられます。
4 偽造私文書等行使罪
偽造私文書行使罪とは刑法161条で定められており,偽造私文書等を行使した場合に成立する犯罪です。有印私文書偽造の場合には3月以上5年以下の懲役に処されます。無印私文書偽造の場合は1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処されることになります。
第3 文書偽造・偽造文書行使罪における処分の判断視点
1 事件の経緯・行為態様
今回の事件がどういう経緯で生じてしまったのか,どのような内容のものだったのかという点です。悪質であればあるほど,重い処分が下される可能性が高くなります。
2 被害結果
今回の事件によりいかなる結果が生じたかという点です。結果が重大であればあるほど,重い処分が下される可能性が高くなります。
3 被害者との示談状況
被害者との間で示談が成立している場合,有利な処分になる可能性が高くなります。
4 更生への環境調整
今後の再犯防止のために家族や周囲の人間が協力してくれることを約束してくれいている状況であれば,有利な処分になる可能性が高くなります。
第4 身柄拘束されてしまった場合
もし,文書偽造・偽造文書行使罪の嫌疑をかけられた場合,突然逮捕,勾留されることにより身柄を拘束される場合があります。身柄拘束が長期化した場合,その間学校や仕事には当然行くことが出来なくなるので,日常生活に多大な影響を及ぼしかねません。
日常生活を取り戻すためにも少しでも早く身柄を解放される必要がありますので,そのためには弁護士による保釈等の不服申し立てを行うことが有用です。起訴される前の準抗告という不服申し立てには費用は掛かりませんが,起訴後の保釈請求という不服申し立てをした場合には,保釈保証金という費用が必要になります。このことから,出来るだけ早く弁護士が対応していくことが重要になります。刑事事件専門弁護士であれば,より豊富な経験と知識をもとに早期の身柄解放活動を行うことができます。
第5 文書偽造・偽造文書行使罪を起こしてしまったら
・すぐに弁護士に連絡する
少しでも早く弁護士に相談することが重要です。 逮捕されている場合には,すぐに接見に行き,事情を聞いたうえで取り調べにどのように対応すべきかを具体的にアドバイスします。そして,早期の身柄解放のための活動にすぐに取り掛かります
・被害者と示談する
本罪は場合によっては被害者が存在する犯罪です。そこで,被害者に対して,謝罪や被害弁償を行ったという事実から,早期の身柄解放や処罰の軽減が見込まれる可能性が高くなります。
第6 否認する場合
自分は文書偽造・偽造文書行使罪にあたる行為はしていないとして犯罪成立を争う場合,まず捜査機関からの取調べにおいて不利益な書面を作成されないようにすることが必要になります。そのためには,取り調べにおいてどのような対応をすべきなのか,取り調べを受けるにあたりどのような権利があるのかを事前に弁護士から聞いておくことで,不利益な書面が作成されることを防ぐことが出来ます。また弁護士が直接本人から事件のことに関する供述を正確に聞き取り,書面としてまとめることで証拠化することも可能です。そして本人の言い分をもとにその言い分を裏付ける証拠を収集することで,否認主張のサポートをすることができます。
第7 前科を避けるためには
「文書偽造・偽造文書行使罪で前科を避けたい」なら,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
刑事事件を専門に取り扱う弁護士が,直接「無料相談」を行います。
万が一,被疑者が逮捕された事件の場合,最短当日に,弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」もご提供しています。
文書偽造・偽造文書行使事件を数多く解決してきた実績をもとに,あなたやあなたのご家族に前科を避けられよう全力でサポートします。
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