交通事故 交通違反と刑事事件
弁護士が迅速かつ的確な対応をすることで交通事故を起こしてしまった場合の不安や悩みを払しょくさせることができます。
第1 交通事故 交通違反と刑事事件
「交通事故を起こしてしまった、保険や免許の点数も気になるけど 刑事事件として問題になるのだろうか」
「交通事故を起こした場合,交通反則金や罰金を支払う必要があると聞くけど, 交通反則金と罰金は違うものなのだろうか」
今,現在このように不安や疑問を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
人身事故を起こしてしまった場合,過失運転致死傷罪や道路交通法違反,危険運転致死傷罪に問われる可能性があります。
交通反則金とは別に罰金も納める必要があるの?
刑務所に行くのを避けるために何かできることはあるのだろうか?
逮捕された場合にはどうすればいいの?
ここでは交通事故を起こしてしまった場合,刑事事件としてどのような罪が成立するのか,交通反則金と罰金の違いも含めて説明していきます。
第2 過失運転致死傷罪とは?
過失による交通事故により被害者を死亡させた場合,過失運転致死傷罪に問われることもあります。 過失運転死傷罪の場合,7年以下の懲役,禁固または100万円以下の罰金に処されることになります。
第3 交通事故における道路交通法違反とは?
報告義務違反
物損事故や人身事故を問わず交通事故を起こした場合,運転者は警察に報告する義務があります。
これに違反した場合,3か月以下の懲役及び5万円以下の罰金刑に処されることになります。
救護義務違反
人身事故を起こした場合,運転者は直ちに自動車の運転を停止して負傷者を救護し,道路上の防止をするなどの必要な措置を講じる必要があります。 これに違反した場合には5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されることになります。
第4 危険運転致死傷罪とは?
法律に定められている以下の運転を運転者が行った場合,致傷の場合には15年以下の懲役,死亡の場合には1年以上,20年以下の懲役に処されることになります。
- アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
- その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
- その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
- 人又は車の通行を妨害する目的で,走行中の自動車の直前に進入し,その他通行 中の人又は車に著しく接近し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
- 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
- 通行禁止道路を進行し,かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
第5 交通反則金と罰金の関係性・違いについて
交通違反を起こした場合,通常刑事罰としての手続きが進められ裁判で罰せられます。裁判で罰せられた場合に支払うことになる金銭を罰金といいます。 もっとも,交通違反が軽微な場合であれば,手続きが簡略化されており,この制度を交通反則通告制度といい,この場合に支払う金銭を交通反則金といいます。 交通反則金と罰金の両方が法に定められている場合,交通反則金を納付すれば罰金を支払う必要はなくなります。
このとき反則金を支払わなければ,刑事手続きに移行し,結果として有罪になり罰金刑が科された場合には,金額も高額になりますし,前科がつくことになります。
第6 身柄拘束されてしまった場合
もし,過失運転致死傷罪,危険運転致死傷罪の嫌疑をかけられた場合,突然逮捕勾留されることにより身柄を拘束される場合があります。身柄拘束が長期化した場合,その間,学校や仕事には当然行くことが出来なくなるので,日常生活に多大な影響を及ぼすことになります。
日常生活を取り戻すためにも少しでも早く身柄を解放される必要がありますので,そのためには弁護士による保釈等の不服申し立てを行うことが有用です。
起訴される前の準抗告という不服申し立てには費用は掛かりませんが,起訴後の保釈請求という不服申し立てをした場合には,保釈保証金という費用が必要になります。このことから,出来るだけ早く弁護士が対応していくことが重要になります。刑事事件専門弁護士であれば,より豊富な経験と知識をもとに早期の身柄解放活動を行うことができます。
第7 人身事故を起こしてしまったら
・すぐに弁護士に連絡する
少しでも早く弁護士に相談することが重要です。 弁護士に相談し弁護士から適切なアドバイスを受け、結果として前科を避けることができる可能性が高くなります。
・被害者と示談する
本罪は被害者が存在する犯罪です。そこで,被害者に対して,謝罪や被害弁償を早期に行うことで,謝罪や被害弁償を行ったという事実から,早期の身柄解放や処罰の軽減が見込まれる可能性が高くなります。
第8 否認する場合
自分は人身事故など起こしていないとして犯罪成立を争う場合,まず捜査機関の取調べにおいて不利益な書面を作成されないようにすることが必要になります。取り調べにおいてどのような対応をすべきなのか,取り調べをうけるにあたりどのような権利があるのかを事前に弁護士から聞いておくことで,不利益な書面が作成されることを防ぐことができます。また,弁護士が直接本人から事件のことに関する供述を正確に聞き取り,書面として証拠化することも可能です。そして本人の言い分をもとにその言い分を裏付ける有利な証拠を収集します。
第9 前科を避けるためには
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千葉支部 支部長 弁護士
上田 孝明