危険運転行為等
刑事事件に特化した弁護士に依頼することにより,示談交渉や早期の身柄解放活動など充実した弁護活動を期待することができます。
第1 危険運転行為等
「息子が飲酒運転の結果,人身事故を起こしてしまった」
「夫が危険運転行為により逮捕されたので,被害者の方と示談したいが連絡先が分からない」
現在このような悩みや不安を抱えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
早期の身柄解放を行うためには早急に弁護士に依頼することが必要になります。また,被害者との示談にあたって,本人または本人の家族が捜査機関を通じて被害者の連絡先を直接聞くことは極めて難しいです。弁護士であれば捜査機関を通じて被害者の連絡先を聞くことが出来ます。
逮捕されたけど,このままずっと外に出ることはできないの?
少しでも刑を軽くしたい場合,どうすればいいの?
今回は,危険運転行為等に基づく犯罪の内容,身柄拘束の解放,示談交渉などについて説明していきます。
第2 危険運転行為等
1 適用される罪名
危険運転行為等により人を死傷させた場合,「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」が適用され,「危険運転致死傷罪」に該当します。
2 危険運転致死傷罪
以下に述べる危険運転行為を行い,よって人を負傷させた場合は15年以下の懲役に処され,人を死亡させた場合には1年以上の懲役に処されることになります。
- アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
- その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
- その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
- 人又は車の通行を妨害する目的で,走行中の自動車の直前に進入し,その他通行中の人又は車に著しく接近し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
- 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
- 通行禁止道路を進行し,かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
3 その他
上記の危険運転行為以外に,以下の運転行為を行った場合にも処罰されます。以下の運転行為により人を負傷させた場合には12年以下の懲役に処され,人を死亡させた場合には15年以下の懲役に処されます
(1)アルコール又は薬物の影響により,その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で,自動車を運転し,よって,そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥った場合
(2)自動車の運転に支障を及ぼすそれがある病気として政令で定めるものの影響により,その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で,自動車を運転し,よって,その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥った場合
第3 危険運転行為等の犯罪における処分の判断視点
(1)被害結果
被害結果が死亡だった場合のほうが傷害の場合よりも量刑上重く評価されることは 当然ですが,傷害の中でもどの程度の負傷で済んだかによって量刑は変化することに なります。
(2)被害者との示談状況
被害者との間で示談が成立している場合には,有利な処分になる可能性が高くなり ます。
(3)再犯防止のための環境調整
今後の再犯防止のために家族や周囲の人間が協力してくれることを約束してくれて いる状況であれば,有利な処分になる可能性が高くなります。
第4 身柄拘束されてしまった場合
もし,危険運転致死傷罪の嫌疑をかけられた場合,突然逮捕,勾留されることにより身柄を拘束される場合があります。身柄拘束が長期化した場合,その間学校や仕事には当然行くことが出来なくなるので,日常生活に多大な影響を及ぼしかねません。
日常生活を取り戻すためにも少しでも早く身柄を解放される必要がありますので,そのためには弁護士による保釈等の不服申し立てを行うことが有用です。起訴される前の準抗告という不服申し立てには費用は掛かりませんが,起訴後の保釈請求という不服申し立てをした場合には,保釈保証金という費用が必要になります。このことから,出来るだけ早く弁護士が対応していくことが重要になります。刑事事件専門弁護士であれば,より豊富な経験と知識をもとに早期の身柄解放活動を行うことができます。
第5 危険運転致傷罪を起こしてしまったら
・すぐに弁護士に連絡する
少しでも早く弁護士に相談することが重要です。 逮捕されている場合には,すぐに接見に行き,事情を聞いたうえで取り調べにどのように対応すべきかを具体的にアドバイスします。そして,早期の身柄解放のための活動にすぐに取り掛かります。
・被害者と示談する
本罪は被害者が存在する犯罪です。そこで,被害者に対して早期に謝罪や被害弁償を行うことにより,早期の身柄解放や処罰の軽減が見込まれる可能性が高くなります。
第6 否認する場合
自分は危険運転行為等などやっていないとして犯罪成立を争う場合,まず捜査機関からの取調べにおいて不利益な書面を作成されないようにすることが必要になります。そのためには,取り調べにおいてどのような対応をすべきなのか,取り調べを受けるにあたりどのような権利があるのかを事前に弁護士から聞いておくことで,不利益な書面が作成されることを防ぐことが出来ます。また弁護士が直接本人から事件のことに関する供述を正確に聞き取り,書面としてまとめることで証拠化することも可能です。そして本人の言い分をもとにその言い分を裏付ける証拠を収集することで,否認主張のサポートをすることができます。
第7 前科を避けるためには
「危険運転致死傷罪で前科を避けたい」なら,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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千葉支部 支部長 弁護士
上田 孝明