自転車事故
刑事事件に特化した弁護士に依頼することにより,早期の身柄解放やより有利な処分の獲得などに向けた充実した弁護活動を期待することができます。
第1 自転車事故
「息子が自転車で人を引いてしまい,警察から現行犯逮捕したという連絡があった」
「夫が自転車事故で逮捕されたが,今後どうなってしまうのか」
現在このような悩みや不安を抱えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
早期の身柄解放を行うためには早急に弁護士に依頼することが必要になります。また,被害者に対して示談交渉を行うことも必要になります。
逮捕されたけど,このままずっと外に出ることはできないの?
少しでも刑を軽くしたい場合,出来ることはあるの?
今回は自転車事故により成立する犯罪,身柄拘束の解放,行うべき活動について説明していきます。
第2 自転車事故により成立する犯罪
1 成立する犯罪
自転車事故の場合,過失傷害罪や過失致死罪が成立し,過失が重大な場合に重過失致死傷罪が成立します。重過失の場合とは,スマートフォンを操作しながら運転した場合などが該当します。
2 法定刑
(1)過失傷害罪
過失傷害罪の場合,30万円以下の罰金または科料に処されることになります。「罰金」とは1万円以上の支払いを命じる刑罰であり,「科料」は1000円以上1万円以下の支払いを命じる刑罰のことをいいます。
(2)過失致死罪
過失致死罪の場合,50万円以下の罰金に処されることになります。
(3)重過失致死傷罪
重過失致死傷罪の場合,5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処されることになります。
第3 自転車事故における処分の判断視点
1 事件の経緯・行為態様
今回の事件がどういう経緯で生じてしまったのか,どのような内容のもの立ったの かという点です。悪質であればあるほど,重い処分が下される可能性が高くなります。
2 被害結果
今回の事件によりいかなる結果が生じたかという点です。結果が重大あればあるほ ど,重い処分が下される可能性が高くなります。
3 被害者との示談状況
被害者との間で示談が成立している場合,有利な処分になる可能性が高くなります。
4 再犯防止のための環境調整
今後の再犯防止のために家族や周囲の人間が協力してくれることを約束してくれて いる状況であれば,有利な処分になる可能性が高くなります。
第4 身柄拘束されてしまった場合
もし,自転車事故の嫌疑をかけられた場合,突然逮捕,勾留されることにより身柄を拘束される場合があります。身柄拘束が長期化した場合,その間学校や仕事には当然行くことが出来なくなるので,日常生活に多大な影響を及ぼしかねません。
日常生活を取り戻すためにも少しでも早く身柄を解放される必要がありますので,そのためには弁護士による保釈等の不服申し立てを行うことが有用です。起訴される前の準抗告という不服申し立てには費用は掛かりませんが,起訴後の保釈請求という不服申し立てをした場合には,保釈保証金という費用が必要になります。このことから,出来るだけ早く弁護士が対応していくことが重要になります。刑事事件専門弁護士であれば,より豊富な経験と知識をもとに早期の身柄解放活動を行うことができます。
第5 自転車事故を起こしてしまったら
すぐに弁護士に連絡する
少しでも早く弁護士に相談することが重要です。
逮捕されている場合には,すぐに接見に行き,事情を聞いたうえで取り調べにどのように対応すべきかを具体的にアドバイスします。そして,早期の身柄解放のための活動にすぐに取り掛かります。
被害者と示談する
本罪は被害者が存在する犯罪です。そこで,被害者に対して,謝罪や被害弁償を行ったという事実から,早期の身柄解放や処罰の軽減が見込まれる可能性が高くなります。
第6 否認する場合
自分は自転車事故など起こしていないとして犯罪成立を争う場合,まず捜査機関からの取調べにおいて不利益な書面を作成されないようにすることが必要になります。そのためには,取り調べにおいてどのような対応をすべきなのか,取り調べを受けるにあたりどのような権利があるのかを事前に弁護士から聞いておくことで,不利益な書面が作成されることを防ぐことが出来ます。また弁護士が直接本人から事件のことに関する供述を正確に聞き取り,書面としてまとめることで証拠化することも可能です。そして本人の言い分をもとにその言い分を裏付ける証拠を収集することで,否認主張のサポートをすることができます。
第7 前科を避けるためには
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千葉支部 支部長 弁護士
上田 孝明