飲酒検知は拒否できない?~呼気検査拒否罪とは?~
- 2023年7月2日
- ピックアップコラム
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が呼気検査拒否罪について解説いたします。
【事例】
ある日千葉県木更津市在住のAさん(男性50歳)は、友人とお酒を飲んだ後、車で帰宅をしていました。
Aさんはその途中で、木更津警察署の警察官による飲酒検問にあい、警察官から飲酒検知(≒呼気検査)を要求されました。
Aさんは飲酒運転の発覚を恐れ、警察官からの呼気検査の求めに応じませんでした。
Aさんは呼気検査拒否罪の現行犯として逮捕され、木更津警察署に連行されてしまいました。
※事例はフィクションです
【解説】
1 飲酒検知・呼気検査とは?
飲酒検知(≒呼気検査)とは、飲酒運転の防止を目的として呼気を採取して、体内中のアルコールの濃度を調査する検査です。
その呼気検査の根拠法令は道路交通法67条3項に規定されています。
道路交通法67条3項 (危険防止の措置)
車両等に乗車し、又は乗車しようとしている者が第65条第1項(酒気帯び運転等の禁止)の規定に違反して車両等を運転するおそれがあると認められるときは、警察官は、次項の規定による措置に関し、その者が身体に保有しているアルコールの程度について調査するため、政令で定めるところにより、その者の呼気の検査をすることができる。
※括弧書き部分は筆者の加筆です。
2 呼気検査拒否罪とは?
呼気検査拒否罪は道路交通法118条の2に規定されている犯罪です。
道路交通法 第118条の2
第67条第3項の規定による警察官の検査を拒み、又は妨げた者は、3月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
3 呼気検査拒否罪の成立要件
①警察官による呼気検査の求めを
②対象者がこれを「拒み、又は妨げた」
呼気検査拒否罪が成立するためには、警察官が対象者に呼気検査を要求していることが前提となっています。
「警察官から具体的に呼気検査の要求がなされていたか」が一つの争点となった過去の判例(横浜地判平成27・9・9)においても、明確に呼気検査の要求があったとは認定できないとして呼気検査罪の成立を否定し、無罪が言い渡されました。
4 呼気検査拒否罪の法定刑
1ヶ月以上3月以下の懲役又は1万円以上50万円以下の罰金
【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が呼気検査拒否罪について解説致しました。
呼気検査拒否罪は、状況によっては無罪となる可能性があるため、弁護士に事件当時の状況を早期に相談する必要があります。
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